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131回『「ソフトパワーを生む」環境』

いよいよ市場が冷えてきたのが、肌で感じられるようになりました。
リセッションという言葉がリアリティを持ってきた気がします。
景気が悪くなると必ず言われるのが「経費の引き締め」と「ソフトパワーの発揮」。
経費の引き締めはともかくとして「ソフトパワー」については正直判ったようでよく判りません。
もちろん言っている意味は「頭を使え」「知恵を出せ」「サービスにより磨きをかけろ」と言うことだとはいかなボンクラの私でも理解できます。
しかし、実際にどうしろ、と言うのでしょうか?

例えば「サービス」です。サービス業によく見られるのは朝礼での「おはようございます」、「いらしゃいませ」、「ありがとうございます」の大声を出して行う斉唱です。
これはこれで長い間の慣行で、販売意欲を向上させる、やる気を示す、元気で明るいサービスを印象づけるなど、それなりの効用はあると思います。が、この機械的でステレオタイプなスマイルや挨拶の復唱が「ソフトパワーの発揮」に役立つのでしょうか?

敢えて言えばこうしたことこそが「ソフトパワーの発揮」への環境の対極にある土壌ではないか?と思います。
何故ならソフトパワーの源は「異質性」「複数性」を認めることにあると思うからです。
また「ソフトパワーは変化を生む力」です。

先日NHKのプロフェッショナルと言う番組で「三つ星」のシェフが登場していました。
まだ33歳の若いシェフでしたが、彼はフランス料理の伝統のあるフランスで修行を積みつつ従来のフレンチとは別の発想によるフランス料理に挑戦。
その折りに出会った師匠の教えである「毎日同じことはやらない」を自らに課している、また自分を他者の目に曝すよう仕事仲間との触れあいを大切にし「積極的にコミュニケーション」を取るよう心がけている、と語っていました。
まさに彼の行動は「日々是新」づくりであり、「ソフトパワー」の実践者と言えると思います。

「サービスの瞬間」が15,6年前に、時代を風靡しましたが、この思想は果たして経営に根ざしてきたのでしょうか?
「経験経済」と言う考えも同様です。
一時流行語となりそれを弄んでお終いという企業環境。
「ソフトパワー発揮」もお題目ではなくガイドラインをきちんと提示しているマネジメントはどれ程あるでしょうか?

一方、企業の外側の世界では逆、異質な発想から生まれたオリジナルなアイディア・サービスが価値を持ち、既存の経験にウンザリした人々を惹きつけて止みません。
怖いのは企業の組織性、規律性、伝統、正統などに則った「合理性」の下、それへの批判、異質な行動は抑圧されること、さらにはそこから生み出される数多くの「考えない」人々達です。
そして組織にとっても人にとっても「考えないこと」が組織への忠誠であり正しいのです。

過去を振り返るとき、あのオイルショックのブレークスルーには複眼の思想が唱えられた記憶があります。
この複眼をモットーに「異質」「批判」「複数」をエネルギーにした企業が今日にも「エクセレントな企業」として生存しているのではないでしょうか?
これから直面する不況に向けてこうしたかつてのように「知」による挑戦が可能とされる「ソフトパワーを生む」環境づくりが必要とされている気がします。

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