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第88号『FUSION展を見て』

「FUSION展、それ何?」と言っても当然な知名度の乏しいマイナーな展覧会、しかも開催場所は静岡・三島です。
FUSIONの名前の通り、文化融合をテーマとしたデザイン展で、主宰者はデザイナー榎戸文彦氏。
JR三島駅からクルマで、5分の特種製紙(株)が運営するPAMと言うギャラリー(デザイン田中一光・設計伴事務所)での小催事です。

この催しは、カレンダーをメディアとすることが参加条件で、榎戸氏がデザインした玉と特種製紙の紙を使用したカレンダーベースに、参加者が思い思いのイラスト、写真、その他を貼り込んだのが作品。
国内外に公募を呼び掛け、その結果、約200点の作品が今回寄せられていました。
参加者は、グラフィックのデザイナーとは限らず、アマチュア、書家、建築家、服飾デザイナー、料理人などで、それぞれのイメージをイラストや写真で表現しカレンダーとしていました。
したがってある意味、玉石混交ではありますが、枠組みが規定されているため散漫にならず、それぞれをオブジエとしてじっくり鑑賞できる仕組みです。

この企画は、始めてから今回が4回目とかで、榎戸氏曰く「老デザイナーの道楽ですよ」と言っていおられましたが、奥様、ご子息など総出の催事で、ご苦労も、費用も結構たいへんではないかな?と、これは下種の勘ぐりです。

同氏とは、あるきっかけで知り合いとなり、直接、お会いしたことも無かったこともあって、折角の機会なので出向きお目に掛かった次第。
小一時間ほど話に花を咲かせたわけですが、それはともかくこのプライベートエギジビジョンはけっこう面白いかったです。

面白かった理由のひとつは、やはり世界から応募が寄せられていること、そして各国のお国柄は無論のことですが、表現への意欲・レベルが属する国のあり方と大きく関わっていることが、伺えることでした。
また、氏の交友関係からロシア、東欧からの参加が多く、日頃余りこうした国々の作品を目にすることのない私には物珍しく、同時にタイ、ベトナム、中国、台湾、韓国などからの参加の多さも目に付き、とりわけタイ、ベトナムの表現は新鮮で惹きつけられました。

一方、残念なのが、一私人による地方での開催であり、FUSIONの試みが多くの人々の目に触れる機会が少ないことです。

いま文化への関心が欧米への傾斜を脱しアジアを中心にユーラシアに向かって開きつつあるのは直視しなければならない事実です。
有意で若々しい意欲のある表現者、コミュニケーターが、未完成ながら瑞々しいこれらアジア発のささやかな提言を受け止め、現在のコモディティ化したコミュニケーション状況の中に新鮮な感動の風をを送り込んでくれることを願います。

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