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第84号『人並み病』

ある広告代理店の人が語っている雑誌コラムからの話です。
それによると今の10代は、「頑張ればこんなことも出来る」という自信が持ちにくく「豊かな暮らしを維持すること」に意識が強く向いている。
そして「よくなりたい」ではなく「悪くなりたくない」の気持ちが顕著だとか。

こうしたことは実は、10代ばかりか、親についても言えそうです。
例えば滋賀県で起こった園児の母による同じ幼稚園に通う2人の児の殺害事件。
またライブドアを取り巻く一連の不祥事などなど枚挙がないほどですが、こうした事件に共通する背景には、かつての日本の持っていた「均質性」が、急激に失われて、「人と同じであること」を維持することが難しくなったという思いが人々の意識の中に膨らみつつあるのではないか?と思います。

戦後60年間一貫して日本は、「追いつけ、追いこせ」をかけ声に、「人並み」であることを目標に頑張り、「1億皆中流」となってきました。
そして個性化と言いつつも実際には、同じような家に住み、洋服を着て、クルマを持つ「均質的な生活」が私たちのライフスタイルとなりました。
「幸せ」とは「人並み」であることと同意だったと言えます。
しかし、この「人並み」が、ここ数年で、もろくも崩壊したのです。
当然、「人並み」にあり得ない人々はどうなるか?
「焦り」「絶望」「嫉妬」、さらには何としても「人並み」を突き抜けたいと思うことでありましょう。

先日、有名ホテルの広報の方と食事を共にしましたが、その折り聞いた事件も印象的でした。
それは派手な身なりの若者グループが高額な部屋に数日間滞在し、豪華な食事を楽しんでいったのですが、実はそのグループが暫くして「俺々詐欺」のグループとして検挙されたと言うのです。
その方は、マスコミから面白半分の取材を受け、謂われのない迷惑を被ったと愚痴って居られました。

しかし、このグループの「過剰」な顕示的な行動こそは、まさに「希望格差社会」の象徴的です。

最近、高額車や高額ブランドの売れ行きがよいそうです。
オープンしたブランド集積スペース「表参道ヒルズ」も大変な賑わいです。
当然のことにマーケティングも、お金持ち層に絞った戦略を展開しています。
しかし、景気の回復による購買力は本当に増大しているのでしょうか?
もしかしたらお金持ちになりたい、人並みを突き抜けたいからと言う意識から発生する徒花購買かもしれません。

商売を考えれば、「お金はお金」と割り切りお客さまがどの様な人であってもよいわけですが・・・。
ともあれ、「勝ち組」だけが支える豊かさのなかで「負け組」層へ貧しさと心の荒廃が深く静に進行し「人並み病」が今後蔓延しそうです。

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