すこし前になるが、日産のワンボックスファミリーカー、セレナのCMソングに1970年のヒット曲、CCR(クリーディンス・クリアウォーター・リバイバル)の『雨をみたかい?』
原題[Have you ever seen the rain?]が使われていた。
ゆったりとした、シンプルで歌いやすい旋律である。
高校時代、深夜のラジオから流れてくるこの曲にあわせ、他愛もなく歌っていた。
Someone told me long ago There’s a calm before the storm,
[I know] It’s been comin’ for some time.
When it’s over, so they say, It’ll rain a sunny day,
[I know] Shinin’ down like water.
I want to know, Have you ever seen the rain?
I want to know, Have you ever seen the rain
Comin’ down on a sunny day?
懐かしのあまり、おもわず口ずさんだ。
しかし、この歌詞に込めらているメッセージは、その旋律ほどには、穏やかなものではないことをアメリカに住む友人から教えてもらった。
キラキラと降るのは雨ではなく、実はナパーム弾のことだ、と。
1970年前後、アメリカはベトナムに雨、あられのごとく爆弾を投下していた。
まさしく、その様を歌ったものである。
そして、この歌は本国アメリカで放送禁止となった。
ギャラップ国際世論調査で、08年は07年に比べて「国際紛争の件数が少ない年になるか、多い年になるか」を聞いたところ、世界全体では38%(前回35%)の人々が「多い年になる」と回答、「同じくらい」は41%(前回42%)、「紛争が少ない年になる」は11%(前回13%)で、前回同様に悲観的な見方が楽観的な見方を大きく上回る結果となった。
(NOS:日本リサーチセンターオムニバスサーベイ参照)
つまり、今年も、世界の各地で悲惨な光景が繰り返し行われるということである。
昨年12月7日ウィーンで開かれた「クラスター爆弾ウィーン会議」は過去最多の138カ国が参加し、禁止対象や廃棄除去法、国際協力のありかたについて討議された。
この、クラスター爆弾の使用は、対人地雷同様、紛争が終結した後も延々と撤去されることなく放置される。
結果として、紛争で荒廃した国の、これからを担う子供達が犠牲になることが多い。
まぎれもなく、戦争のもつ理不尽さを超えた悪意以外のなにものでもない。
そして、この会議の一番の問題は、クラスター爆弾の主要生産国・使用国からの賛同を得ていないということだ。
そのなかに、我が国日本も含まれている。