ファンランドへようこそ #1 ファンサイトからの三つの提案

ファンランドへようこそ。ファンサイト有限会社、取締役の川村勇気です。

GW前に取締役会を実施したのですが、代表が十数年前から千回以上にわたって続けてきた「ファンサイト通信」的なものを、取締役ズも書いていきましょうね、という話になってしまい、今回がその初回になります。
もう一人の取締役の大輔さんと隔週交代で執筆することになりましたので、もしよければそちらもご覧ください。

ことしの3月にファンサイト有限会社の取締役就任をSNSで公開したことを機に「おめでとう」を言われることも増えたのですが、セットで必ず聞かれるのは、「で、何をやっている会社なの?」ということです。
平たく言えばWeb制作会社、ということなのでしょうが、残念ながらビジネスはそう単純ではありません。
ファンサイトのオリジナリティについては、創立24周年のタイミングで本年の4月9日にリリースした「【ファンサイト2.0新商品】ファンサイトと企業をデジタルでつなぐサービス『FUNLAND』および『FUNBOARD』についてのお知らせ」でまとめてあるので割愛し、今回はもう少し具体的なサービスの内容について扱ってみたいと思います。

自身も20余年にわたってコミュニケーション領域の仕事に携わってきた中で、いま組織や企業に足りないもの、求められているものは以下の三つなんじゃないかと考えています。

①一次情報
②オウンドメディア
③ID

四文字熟語なのか横文字なのか英字なのかがバラバラでいまいちパリっとしない並びではありますが、ここ最近わたしが取り扱うことになった提案は、基本的にこの三つのいずれか、もしくはすべてを網羅するようにしています。

①一次情報

組織としての発信にあたって、たとえばAIを活用するのは非常に重要である一方、WebであれブログであれSNSであれ、やはり基調となるものは「一次情報」でなければあまり意味がない、ということです。
これは私が少し前までお世話になっていた音声メディアプラットフォームVoicyの代表、緒方さんもよく言っていたことで、AIは非常に有効であるツールである一方で、ネット上の既存情報を集めてアウトプットするという機能上、一次情報を作ることはできない。よって、今後しばらくはこの一次情報(研究結果、体験レポート、感想・所見など)をどれだけ自社で発信できるかが、「情報の価値」として大きな差になってくる、ということです。

https://note.com/ogaken/n/n40c3410d50a0

ストライクな記事が見つからず…緒方さんからは口頭で聞いたのかもしれませんが、まあおおむね上記の記事で伝わるかと思います。

年明けに、note社とGoogleの資本業務提携のニュースがリリースされましたが、AIの課題感を認識しているGoogleにとって、noteが優良な一次情報の源流として機能していると認めたことのわかりやすい例となりました。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000266.000017890.html

②オウンドメディア

XやInstagram、FacebookなどのSNSは、すでに莫大なユーザーを有しているプラットフォームとして、組織としての発信にも大きな効果をもたらすようになりました。
ただ、上記で説明した「一次情報」を企業の公式SNSだけで公開した場合、そのソースは自社ではなく、各プラットフォーマーが保有するものになってしまいます。
AIや検索エンジンが評価する際に、価値の高い情報が「どこに」プールされているか、というのは非常に重要な問題です。
それがSNSの一アカウントから発せられているのか、とある企業から直接発信されているのかは、Webの情報が世の中の情報のほぼすべてといっても過言ではない現代において、大きな差になってきます。
繰り返しになりますが、SNSは高い拡散性を要する一方で、その情報をプラットフォーマーが吸収する仕組み故に、特に企業が活用する場合は、価値の高い情報がもれなく自社の財産となるよう。入念な設計が必要になります。

③ID

上述の「一次情報」の制作、そして「オウンドメディア」の形成については、実践している企業も増えたように思います。
ただ、その目的は単なるSEO対策だけではなく、あくまで「ユーザーと結びつくこと」であることを忘れてはいけません。
最近では「あなたの会社のオウンドメディアに」というSNSやブログ、メディアプラットフォームが増えていますが、単にカスタマイズの汎用性をもって「オウンドメディア」をうたっているものが多いような気がします。
私たちは、「オウンドメディア」として機能しているか否かのひとつの判断軸が「ID」だと考えています。
既存プラットフォームやメディアを経由して、個人の属性が把握できる消費者や、私たちから直接連絡の取れるユーザーは、果たしてどれだけいるでしょうか。
個人情報を取り扱うことの恐ろしさについては、ここで詳述する必要はないかと思いますが「ID」と言っても、必ずしも氏名・年齢・電話番号を集める必要はなく、重要なのは「集まったファンにアプローチできるチャネルがあるかどうか」です。

もちろん、三つすべてをコンプリートしていなければ施策の意味がない、ということではなく、これはあくまで理想としての考え方になります。
ただ、この三つをうまく機能させることができれば、企業や組織の規模にかかわらず、会社がこの激動の時代を乗り切る大きな武器になることは間違いないでしょう。

ここまで書いておいてなんですが、言うは易し。この実践は容易ではありません。
ただひとつだけ、確度の高い成功のカギがあるとすれば「早く始めること」だと思います。
一次情報たる記事やコンテンツの制作にはスキルが必要になりますし、オウンドメディアにユーザーが集まってくるのはどうしても時間がかかります。
IDへのアクセスを可能にするための仕組みづくりには費用もかかる場合がありますし、大きな組織であれば非常に煩雑な社内の調整もあるかもしれません。
とはいえ、デジタルコミュニケーションの整備・整理なくして10年後の成功はきわめて困難と言って間違いないでしょう。
もしご縁があるのであれば、その端緒を一緒に始められればと願っています。


ファンサイト有限会社はWebサイト、SNS運用、オウンドメディアなど、デジタルにまつわるコミュニケーションのご相談を随時受け付けております。
自社の発信に課題感をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。

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