第54回 Skin&Bones

070413

以前も書きましたが、大好きなフーファイターズの作品をここ最近「よく」ではなく「ズーっと」聞いています。
異常なヘビーローテーションです。

彼らはアメリカンロック、それもどちらかというと私があまり聞いてこなかったハードロックの要素が多く含まれる音作りをしているのですが(ハードロックじゃないけど)、その彼らがエレクトリックサウンドではなく、アコースティックギター(生音のギター)を中心にしたライブ「Skin and Bones」を行い、そのDVDを見てまたガツンとやられ、今そのアルバムにどっぷりとはまっているのです。

バンドやアーティストの個性というものは一つのカラーで統一されているのが一般的だと思うのですが、彼らは普段のライブでやっている爆音系の音はなく、いつもの熱さは残しつつも異質で繊細なサウンドメイキングと演奏をそのライブで見せつけてくれました。

キャラクターのイメージをチェンジする戦略はいくつかあると思いますが、昔のアイドルが売れずに演歌歌手になったりと、どちらかというとネガティブなイメージで捉えていたのですが、どちらも聞けば聞くほどすばらしい音楽性、過去私があまり見たことのないバンドだということに改めてやられました。

技術的な演奏のレベルが高いミュージシャンのことを「プレイヤー」と呼びますが、それとは別に作曲したり、音作りをしたりする人はプレイヤーとはいいません。
ではなんというのが正しいか。
ピッタリくるのは「アーティスト」でしょうか。
彼らがすごいのはその両方を完璧に網羅しているところです。

どの仕事においてもこのような区分もあると思っていて、私の仕事に置き換えると「プレイヤー」は「職人」。
「エンジニア」「プログラマー」などの人がそれにあたるかも。
「アーティスト」は「創り手」。
「演出家」「プランナー」「コンセプター」とか。

その二つがうまく噛み合ってこそ、クオリティの高いものが生まれるのですが、私は実際「アーティスト」サイドの人間でありつつ、その創りだす過程は「プレイヤー」のスタンスでいきたいなあ。
と思います。

現実は厳しいですが、あくまでも理想は高く、あくまでも心のスタンスとして。
いつものようにアトリエに向かう車内で彼らを聞きつつ、そんなことを思ったのでした。

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