先日、私と妻が昨年行ったデンマークを案内してくれた現地在住のジャーナリスト、ニールセン北村朋子さんが来日されると聞き、東京まで会いに出かけました。
彼女が今回来日した目的は2つ。
ひとつは、長崎で進められている洋上風力発電施設の管理者を養成するためのシンポジウム。
そしてもう一つは、東日本大震災で大きな被害を受けた東松島市が新たに建設した「森の学校」の校舎完成および、デンマークロラン市との教育連携を記念しての東京で開催されたイベント参加のため。
私は後者のイベントに出かけたのです。
持続可能な都市つくりを進めている宮城大学教授 風見正三先生が基本構想・基本計画を行った「森の学校」は、地元の木材をふんだんに使って森のなかに作られた素晴らしい学び舎。
この学校を全国や世界に展開するために、デンマークロラン島で私達が訪ねた「森のようちえん」にも視察に行かれ、その様子は現地の新聞にも大きく取り上げられました。
風見先生いわく、親や家族を失った子供たちが、森で遊ぶなかでどんどん元気を取り戻していく様子をみて、このような学校の設立を東松島市と連携して作ってきたのだそうです。
彼が主宰する「ガイア都市創造塾」は、市民だけでなく行政や企業と連携して、持続可能な社会づくりを提唱して実践されています。
風見先生とニールセンさんのディスカッションのなかには、自然と共生し、そのなかで人間らしく生きていくためにはどうするか、というヒントが数多くありました。
やはりまちづくりのレベルになると、行政や企業の協力なしでは実現するのが難しいことが多いわけですが、風見先生の提唱するガイア都市創造の理論は、それらも含めた「人間再生の経済学」を中心に社会システムを見据えているという意味で、希望を感じるものでした。
森の学校・校舎完成記念シンポジウムは明日3月4日(土)の13時から。
森の学校を実現してきた風見先生と、ナチュラリストのC.W.ニコルさんや建築設計を担当した工藤和美先生など、森の学校に携わった方々が集って開催されます。
このようなモデルが、教育という軸で各地に展開していくことにとても期待しています。