第69号『雀100まで踊り忘れず』

一日を通して、いまテレビを視聴している人々は42.2%とか、およそ6割の人はテレビを見ていない、そんな時代です。

テレビも成熟化したと言うわけで、今後はさらに限られた視聴時間の分捕り合戦が熾烈とならざるを得ません。
こうしたなかで、いま手堅い戦略がコホート戦略。
この語源は、古代ローマの軍隊組織に由来するとのことですが、雑学的蘊蓄はさておいて、時系列的に、例えば時代、世代を追って、ある要因を追跡する調査手法の一つであることは皆さまとっくにご存知のことでしょう。

このコホートを巧みに駆使しているのが、只今好調のテレビ朝日でしょう。
低迷で悩んでいたテレ朝は、あの奇妙なお蝶夫人の「ひろみ、よくってよ!」で有名な「エースをねらえ!」から現在の「女の子だもん、涙が出ちゃう」の「アタックNO.1」と、30年前の焼き直しのアニメスポ根のリメイクでお手軽に視聴率を稼いでおります。

時間帯はかつての7時台から、いまやゴールデンど真ん中の9時台へ。
いじめられても叩かれても健気に立ち上がる主役は、売り出し上戸彩クン。
彼女の奇妙な色気と年増お姉さん達が演じる高校生の魅力でついつい見てしまう私ですが、ふと冷静になると、なんとも3世代を超える遺伝子が、蘇っているのを感じて、同局および古賀プロなどのマーケティングのしたたかさに感心します。
時代、世代は替わっても、一度ヒットしたネタは、変わらずに存在し、そうしたお宝は掘りやすく入手にリスクも少ないことの証明です。

40代未熟ママ達の懐かしの感動と彼女らの夜更かし、ませガキが加わって人気は沸騰、3世代を超えるお茶の間番組ですね。
まさに「雀100まで・・・」、一度覚えたら忘れがたいという諺通り。

でも不思議なことに、この遺伝子は女編ばかり・・・。かつての雄、ニッテレは巨人がダメでいまや無惨。
あの「あしたのジョー」や「飛雄馬」は何処へ?
オトコはあの時、燃え尽きてしまったのかしらん!?

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