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第168回『AKINAにぞっこん』

AKINA・・・もちろん中森明菜のことです。
実は年甲斐もなく、彼女のデビュー曲「スローモーション」以来のファン。繊細な歌唱とこだわりで独自の世界を打ち出してきた彼女は、いまや44歳、ますます女として、歌手として磨きが掛かってきました。とくに本年7月に出たCD「歌姫シリーズ」を聴いてからいっそうその思いを強く感じています。
この「歌姫」はカバーアルバムシリーズで、カバーに取り組んで以来今日まで、トータルで100万枚を突破しているとかで、新境地の魅力もあって人気のほどを伺わせます。
カーバーアルバムは、昔から数多くありますが、近年は空前のカバーアルバムラッシュ、この動向に先鞭をつけたのも彼女だと思います。

良い曲は時代を超えて人々の心に届くものであることはいまさらですが、しかし、明菜の歌姫はシリーズには一時代愛されたアルバムのアレンジや新工夫さらには歌手の個性に依存したリメイク、またフォークジャンボリーでかつての人気歌手が自分の持ち歌を紹介する、いわば懐旧の情を基盤としたそれとは決定的に違う、というのが私の評価です。

▼新:「いちご白書をもう一度」

例えばアルバムに採用された「いちご白書をもういちど」です。高度成長期に向かう時代にあって時代に真に向き合うことなく、情緒的な反抗にとどまり戦いを自らの放棄した生き方上手な若者達の自嘲を歌ったこの名曲ですが、明菜の歌は、主張もせず燃焼することなく無事をまっとうして、いまの社会からリタイヤしていく団塊世代のいいしれぬ悔悟と恥ずかしさ、同時にそれら不条理へのあたたかい眼差しが微妙に案配されたトーンとなって心に染みてきます。
何を失ったのだろうか?何が豊かさなのか?これまでの人生以上に生きるだろう団塊世代にとっては甘い思い出ではなく、苦い慚愧を呼び起こすような見事な歌唱です。
懐かしの曲は、「歌姫」により世代を一巡した心との出会いを提供し時代を超える新曲となったのかもしれません。、

▼「楽しくない、必死過ぎて楽しんでいられない・・・。」

今夏放映されたNHK番組「Songs」でのインタビューに歌への取り組みについてこう話していました
「私は頂いたお仕事を最後までこなす、最後までみんなに喜んでもらうものに仕上げるだけ。一人でも多く裏切らないようにする、すべてを考えて心を込めて歌っていくのはつらく、プレッシャーに押しつぶされそう。出来ればやりたくない・・・。とても楽しんでいられない。でも明菜よかったよ!と言ってもらってまた取り組んでしまう・・」
おそらく大学生活やましてや学園紛争など経験したことのない彼女が「いちご白書」にこれほどに深い感動をプラスしていることは驚きですが、上記のコメントを聞くに及び歌手としての成長、人生を見つめた覚悟、人柄の優しさから滲んできたものかもしれないと納得しました。

▼考えること、追い詰めること・・・

言うまでもなくゼロ成長の時代です。そこではモデルが不在です。政権が変わったからといって世界の本質は変わるわけもありません。
ただ言えることは「今」を見つめ、手持ちの価値を大切にし、その生命を育むことではないでしょうか?
そしてもはや避けがたい事実は、進歩のための進歩、新規なもの、他人よりも多くモノを入手することは豊かさであると言う幻想は捨て、何が豊かさをもたらすのか?を自分の頭と心で探る必要にマーケターは向い合っていることです。
「歌姫」の感動は、一人の女性の歌い手が、利他を捨て愛他の心で人情の機微と敏感に反応しながらも、エンタテイメントを考え、自身の思考と表現の狭間で苦しみつつひたすらにこだわってきた結果ではないでしょうか?
以上が私の「ぞっこん」の理由です。
最近、彼女のライブコンサートは少なくマスコミへの登場もまばらです。
09年では8月の横浜でのコンサートと後は年末のディナーショーか予定されているだけのようです。
商売は大丈夫?と心配ですね。
明菜の切符は手に入るのか?ネットでもこうしたブログが目につきます。
情報を絞る、露出を抑えるというのは、商品ライフを延ばし、価値を増大させるテクニックであることは承知ですが、CDだけではなく、「ナマ」にも触れたいというのも隠れファンとしての本音です。
そろそろ焦らしは止めませんか?

1件のフィードバック

  1. ご無沙汰しております。
    いつも心待ちにして読ませていただいていますが、
    今回は、いつにも増してをおもしろく拝見しました。
    中森明菜から「ゼロ成長の時代はモデルが不在」と展開したところで、
    私も改めてじっくり考え込んでみたいと思いました。

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