振り返ると、岡山、関西、東京と自分の人生を過ごして来たところも丁度1/3ずつになりました。
若い頃はロック、主にブルースばかり聞いていて、村八分、めんたんぴん、ウエストロードなんかの関西系のアクの強い音が大好きで、その影響からか町も人もどうも東京のシュッとした気取った感じが全くピンとこず、大学も関西、就職も大阪の広告会社と全く東京の“と”の字も考えることの無い僕でしたが、やはり時代の流れには抗えず気がつけば東京へどっぷりと腰を落ち着ける今となっていまいました。
東京へ出て来た頃、なぜこんなに東京はシュッとしているのか?かっこいいのか、あれこれと考えました。
小麦粉(系)料理の違いにあるのではないか?という僕なりの仮説がいつしか芽生えてきました。東京は、蕎麦、それにパスタ。関西は、うどん、お好み焼き、それにたこ焼き、とどめはとん平焼き。明らかに東京の小麦粉系はシュッとしている。それと比べて関西はまさに「こなもん」。東通り商店街という麗しき商店街が大阪梅田にあるのですが、普通に老若男女の声がいつも聞こえます「こなもん食いに行かへんか。」と。
シュッとしてる、の反対はシュッとしてない。それだけではなく、どうもこってり、コテコテ、めんどうくさい、アホくさいなど次から次と出てくる様に思えるのです。
大阪のミナミに心斎橋というところがあって、そこにホテルカリフォルニアというラブホがあり、その近所に三角公園という三角の公園があります。その横に甲賀流たこ焼きというたこ焼きのお店があるのですが、ただ単に天かすを甲賀流の手裏剣の様にシュシュっと両手のひらの間からたこ焼きの鉄板の上でぐつぐつするまだ液体のたこ焼きの上に飛ばすのです。
フツウこういうネタ料理屋は不味いと相場が決まっていますが、なんとも美味い。やはり、コテコテ、めんどうくさい、アホくさい店です。シュッとしてません。シュシュっとしてます。
会津屋、すずや、昔の風月、はつせ、蛸の轍、きじ、ともえ、シー&サン、それに甲賀流たこ焼き。ああ、懐かしのこなもんロード。
今宵、家の食卓は我が家流とん平焼き。くるりをBGMに、姫路の酒を飲みながら。ああ、恋しや関西。