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第655号『身体を輪切りにして覗いた』

IMG_6789s【CDに収められたボクの身体】

先週、初めてMRIでの検査を体験した。
MRI(磁気共鳴画像)は、磁気の力を利用して身体の臓器や血管を撮影する検査方法である。
簡単に言えば、それぞれの部位を輪切りに撮影し、身体の中身を可視化するのだ。

まずは、ベッドに仰向けになる。
次に、移動しながら大きな輪っかをゆっくりと通過する。
最初は頭部を25分間、次に首、胸から腹部に、最後は膀胱を輪切りに撮影していく。
この間、たえずガガガやジジジという大きな音を聴きながらの1時間である。

尿・血液採取をし、大便などからのデータをもとに、全体の約半分の検査結果がその日のうちに出る。
さらに、1周間ほどで詳細な検査結果を知ることになる。

まだ、最終の検査結果ではないが、体内にイボと、コブが見つかった。
形状や大きさ、血流の具合などを確認し、担当医から経過観察を、と言われた。
64年もの間、この身体を使用しているわけだから、イボやコブの1つや2つあっても不思議はないだろう。

さらに、検査報告表を渡され、医師からの話しは続く。
・肝、胆道系・腎機能・電解質・脂質・糖負荷・糖尿病・免疫・血液学的・尿検査・便潜血・眼圧・血圧・血管検査・腹囲など・・・

これらの項目の数字が正常範囲であるのか、例えば、数値が上下に振れている場合、それは許容範囲なのか、と。
こうして、検査結果はすべて数値化されていることに、あらためて気付かされる。

かつて、ボクが子供の頃、唾や血や排泄物をめぐって沢山の言い伝えがあった。
例えば、唾を付けたらそれは自分のものになるという意味だったり、小便をミミズにかけるとちんぽが腐るといわれたり、怪我をしたら、まず傷口の血を舐めるとなぜか早く治るといわれたりと・・・。

いまや、人間の身体はこうしたタブーや因習から離れて久しい。
唾液は唾液でしかないし、小便は小便でしかない。
そして、すべて数値化される。

かつて、人類はその長い時間の流れのなかで自らの身体の延長上に、火を作り出し、弓矢などの武器を発明したと言われる。
火の発明は、身をよじるかのように木片をこすり合わせ、疼きを感じ、そして遂に燃え上がるような性の快感からのインスピレーションだったとも。
あるいは、唾を吐くように矢を飛ばした。
その延長上で、さらに飛ぶようにと、唾をつけ羽をつけたのだ。
そういえば、昔の職人たちは、自分の道具によく唾をつけて磨いていたものだ。

こうしてみると、身体はいまや人類史上はじめてタブーや因習といった神話から解き放たれ、意味を持たないフラットな状態になった。
しかし、それは健康神話という、別の長い悪夢の始まりに過ぎないようにも思える。

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