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第629号『信じるということ』

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【紺碧の空に白い壁】

20年以上も前の話しである。
当時として珍しかった、ワークショップ形式の集まりに参加したことがある。
友人が理事を務めるNGO法人が主催したものだ。

簡単な自己紹介の後、この日初めて顔を合わせた5人一組で、AチームBチームの2つに別れた。
2つののチームが別々の部屋に移動し、ファシリテーター役がそれぞれに付いた。

次に、ファシリテーターから状況説明と課題が告げられた。

友人であるマコトくんとミノルくんが、無実の罪で逮捕された。
そして、それぞれに取り調べが始まった。
2人に告げられた内容とは、

黙秘すれば、3年の刑が。
自白すれば、5年の刑が。
どちらかが黙秘し、どちらかが自白すれば、黙秘したほうが20年の刑で、自白したほうが1年
の刑だと。

あくまで架空のお話であるが、状況説明は概ねこんな内容だった。
さて、黙秘するか、自白するか、チームで決めろというのだ。

チーム内では喧々諤々、様々な意見が出た。
出した結論は、自白を選択。
そして、相手チームも自白するというものだった。

後で知ったのだが、このゲームを「囚人のジレンマ」という。

なぜジレンマかといえば、お互いに協力した方が、しないより、良い結果(お互い黙秘にすれ
ば3年の刑で済むのに、自白して5年の刑を選んだ)が分かっていても、協力しない方が利益を
得る可能性がある状況では、お互いに協力しなくなるというジレンマが生じるのだ。

そして、悔いが残った。
なぜ、黙秘する選択ができなかったのかと。
マコトもミノルも無実の罪だということを。
友を信じ共有することを。

人間は弱い生き物だ。
信じられない、信じたくない、と思うことがあっても不思議ではない。
むしろ、自然で当たり前の感情ではないか。

では、なぜ、信じられなくなるのか。
それは、自分の思うがままにいかない不安から生まれる。
でも、考えてみれば、これまでの人生でどれほど思うがままに事が進んだたことがあるだろう。
ほとんどの人が、ほとんど思うがままにいかないのが当たり前ではないか。
上手くいかないからこそ、受け止め、向き合い、そして前を向くのだ。

どんなことであれ、信じることからしか始まらない。
生きることは、覚悟をもって前に向かって歩むことであり、そして信じることの積み重ねなのだ。

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