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第587号『旅』

【稲佐の浜から見る日の入り】
【稲佐の浜から見る日の入り】

妻と夏の終わりに、秋には旅に出ようと話していた。
そして先週、松江・出雲・広島と巡ってきた。

ボクたちの旅は綿密な計画もなく、なかば行き当たりばったりのゆるい道行き。

初日、快晴。
羽田から米子鬼太郎空港へ。
レンタカーを借り、米子から松江へ。
昨年、クルマを処分したのでしばらく運転していなかったが、久々のドライブは
なかなか快適で楽しい。

初めての松江訪問。
旧小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)邸のある武家屋敷エリア、京風の街並み、
いく筋も流れる城の堀川、幸運にも松江大橋を渡っている時、宍道湖の夕焼けも
眺めることができた。
松江は神話の国の首都であり、美しい水の都だった。

この夜、妻が見つけた郷土料理の店「てれすこ」で食事を摂った。
カウンターに並ぶ食材は、地元で穫れたものばかり。
モロゲエビの唐揚げ・シジミの酒蒸し・のどぐろの煮付け・いちじくの天ぷら、
そして地酒。
どれをとっても素晴らしい味わいだった。

翌日、快晴。
出雲大社へ向かう。
松江からクルマで40分ほど。
巨大な鳥居が出迎えてくれた。
駐車場から、よく整った参道の玉砂利を踏みながら本殿へ。
さらに、幾多の神話に登場する稲佐の浜で日の入りまでの時を過ごした。
この地は、気の集まる場所特有の凛とした空気と光で満ちていた。

翌々日、快晴。
松江から高速道で広島へ。
わずか、2時間30分である。
広島では、かつてのクライアントで、いまや公私にわたる付き合いの、M社広報
担当M氏と再会。
賑やかな夜の広島を楽しんだ。
そして、雲丹クレソン・広島焼き・カキフライ・辛つけ麺と広島の味を堪能した。

最終日、快晴。
この日、原爆記念館を訪れた。
初めて観た。
妻はこの館に入る際、腰になにやら鈍痛のようなものを感じたと言う。
ボクは、胸が少しギュッとした。

入ってすぐ、原爆のキノコ雲の写真。
そして「水をください」の文字。
飴のようにねじれた鉄骨。
真っ黒に焼けた人影。
凄まじい、光景の写真と遺留品。
70年前、この地に原子爆弾が投下された。
16万人以上の人びとが犠牲となった。
老若男女、外国からの観光客を問わず目頭を押さえ、すすり泣く人もいた。

記念館から出て、重い気分を引きずりながら川沿いを歩いていると「遊覧船に乗らな
いか」と声をかけられた。
聞けば、ボランティア団体が週末に行っているのだという。
乗ってみることにした。
川面から眺める原爆ドームは、写真やニュースで見覚えのあるそれと、少し違って見
えた。

川面を渡る一陣の風。
その風が頬を撫で、重い気分をスッと払ってくれたように感じた。
そして、思った。
日本は、しなやかで美しい国だと。

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