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第395号『偶然と云う名の必然』

【シネマのように】
【シネマのように】

夜、TVを観ながら食事をしていた。
カナダ・モントリオール映画祭で、深津絵里が最優秀女優賞を授与したとニュースが流れた。
ふと、去年の春、久々に倅と飲んだ時のことを思いだした。

帰りしなに、彼から本を渡された。
「次の映画の原作本なんだ」。
それが吉田修一の「悪人」だった。
「監督は?」と聞いた。
「フラガールの李相日さん」。
「そうか、羽原大介さんの脚本の監督だね」。
そんな短い会話だった。

15年以上も、前のことである。
そのころ、僕はCカンパニーという制作会社にいた。
もともと、VANジャケットが倒産し、宣伝部門が致し方なく立ち上げた会社だった。
制作といっても印刷やCMだけではなく、グッズ販売やイベント、演劇の企画も手掛けていた。
メンバーには、7月に亡くなられた演劇のつかこうへいさんや、作曲の三枝成彰さんも所属していた。

ある日、出社すると、会社の玄関に暴力団の組の金看板が掲げられていた。
ドギマギしていると、Vシネマの撮影だった。
ともかく、なんでもありの、滅茶苦茶におもしろい会社だった。

当時、このVシネマの脚本を寝ずに書いていたのが、つかさんの弟子で、シナリオの修行をしていた羽原大介さんだった。
その後、映画、「フラガール」や「パッチギ!」の脚本での活躍は周知のとおりである。

しかし、このCカンパニーもバブルの影響で、業績がみるみる悪化した。
少しでも固定費の軽減ということで、家賃の高い恵比寿から、中野新橋へ移ることになった。
荷物の移動も社員総出で、トラック数台に分け積み込んだ。
その内の1台を羽原さんが運転し、助手席には僕とバイトでよんだ当時高校生だった倅が乗り込み、引っ越しをした。
その時、浮かんだ言葉は「都落ち」、「夜逃げ」。

そして幾つもの偶然と必然を経て、いま、彼らは同じフィールドに立っている。
いつの日か、脚本 羽原大介、プロデュース 川村元気の映画も見て観たい。

お知らせ。
倅、川村元気プロデュースの映画 「告白」に続き、「悪人」が9月11日(土)から公開されます。
ご高覧いただければ幸甚です。

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