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第39号『光を観に』

10月26日、アナハイム・エンジェルスとサンフランシスコ・ジャイアンツのワールドシリーズ第6戦を観た。

5回にバリー・ボンズのホームランがあり5対0と一方的なゲーム展開にジャイアンツの勝利がほぼ決まったかと思われた。
しかし結果はエンジェルスが奇跡の大逆転を遂げ、翌、第7戦も勝利をおさめ2002年のワールドチャンピオンとなった。

幸運にも初めて目にした大リーグが、とてつもないビッグゲームであった。
そのゲームの流れや観客の熱気など驚くことばかりであったが、それ以上に驚いたのはボールパークという装置が演出するベースボールという名のエンターテイメントであり、同時にホームで戦うことの意味とアウエイで戦うことの意味もまざまざとおもいしった。

エンジェルスのホームであるアナハイム・エジソン球場はその日4万5千のシートがほぼ99.9%真っ赤なチームカラーで埋め尽くされていた。

声援はすべてエンジェルスに向けられる。 ボンズがホームランを打ってもシーンと静まり返り、自軍が打つと大歓声と共にセンター外野席に設置された岩場の舞台装置から花火が盛大に打ちあがる。
また事前に渡された太さ5センチ長さ80センチほどの赤く細長いビニール製の風船を叩き応援する。
そして、選手交代や攻守の交代の度にチームのマスコットであるRally Monkeyが巨大スクリーンに映し出され、その度に盛大な歓声が沸き起こる。
これがまたメチャメチャ凝っている。たとえばあのメルギブソン(映画ではケビン・コスナーが演じた)が「フィールドオブドリーム」のパロディを演じトウモロコシ畑を懐中電燈をてらしなが分け入ってくる。
そして、そこにいたのはなんとRally Monkey(エンジェルスのマスコットである手長猿の名前)が野球をしているという落ちである。
そこで観客はどっと沸く。こんなことが可能なのは球団経営のオーナー企業がディズニーだからということらしいが。

こうしたホームでの演出により、5対0のスコアもなんだか、たいしたビハインドではないように思える雰囲気が徐々に形成される。

試合も6回に入り球場にライトが照らされる。
その明るさはラスベガスで観た舞台以上に輝いている。
ファンの熱気が一気に加速する。
目に見えてジャイアンツの選手たちの動きが鈍くなり精彩がなくる。
それに比べエンジェルス選手たちの動きがよくなる。
そしてあっというまの逆転劇。
悪と戦うわれら正義の神々そんな図式のようでもあり、ファン(信者)が勝たせた戦いのようでもあった。
まさしく絵に描いたような光景。
それは光の中での一瞬の出来事のようにも思えた。

かつて観光旅行とは仏様や観音様そしてご神体を拝む旅だった。
まさしく光の世界を観に行くことだった。
それはケとしての日常からハレとしての非日常へ逃れるための膨大なエネルギーの集積としての旅だったのかもしれない。

そうしてみれば、いま、わたしの目の前に現れているボールパークは現代の神殿であり、その光に包まれたスーパースターたちの動きをみながらハレとしての非日常の高揚感を味わっている。
これこそが現代の観光なのかもしれない。と。

追伸
今年4月から週1回のペースで始めたファンサイト通信の今年最終号です。
皆様の励ましや、ご意見をいただきながらなんとか39号まで書き続けることができました。
あらためて感謝申し上げます。
来年もなんとか、もがきながら続けたいと思っております。
引き続きお読みいただければ幸いです。
年明け1月10日金曜日より、きりのいい40号からスタートさせていただきます。
それでは皆様よいお年をお迎えください。

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