第320号『一人勝ちなどない』

【チャイニーズドレス】
【チャイニーズドレス】

先月、大手企業の関連会社が運営する健康食品サイトがひっそりと閉じた。
立ち上げ当初、関わっていたが運営方針の違いもあり、このプロジェクトから外れていた。
売上が伸びず、事業縮小に至ったという。
ご担当者だった方からの知らせに少し驚いた。

大手企業が本気でウェブサイトを利用してのビジネスに取り組む事例として、業界でも話題になったこともある。
なぜ、このサイトが失敗したのか。

結論からいえば、「TVや新聞など、従来のメディアに比べ、インターネットの影響力は、まだまだたいしたことがない」ということと、「中身より入れ物とその入れ方」つまり、システム構築にコンテンツが振り回され、つまらないサイトになったからだと想像する。

例えば、企業ブログの失敗事例。
「やらせブログ」だとして取り上げられることの多い、ソニーの「ウォークマン体験日記」。
ブログ炎上に関係なく、ウォークマン売れている。
例えば、映画ブログの口コミ成功事例。
アニメ映画「時をかける少女」の興行成績はそれでも、わずか2億6千万円だ。
どちらにしろ、ネットで多少話題になったところで、ほとんどの人は知らないし、影響もあまりない。
従来のTV・新聞等の延長線上にあるメディアとしてインターネットを捉えるなら、その影響力はまだ限定的なものでしかない。
ウェブサイト構築を生業とする身として残念ではあるが、これがいま現在の現状だ。
一方、TV・新聞・雑誌も安閑としてはいられないのも事実である。

もはや、メディアに特効薬などない。
お客様にとって有効な接点をもつメディアの選定と、おもしろく有意義なコンテンツ、そして、その規模とそれに見合うコストの総体が問われているのだ。

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