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第264号『五感』

【感じるカタチ】
【感じるカタチ】

食品に「賞味期限」の表示がされるようになったのは、いつのころからだろう。
少なくとも、僕の学生時代にそんな表記はなかったと記憶している。

ネットで調べた。
関西の落語家、桂都丸さんのサイトで「都丸のはじまりはじまり」というコンテンツをみつけた。
引用する。

「賞味期限」とは、“その期間内であれば美味しく食べられますよ”という食品の期限を表示したものです。食品に「賞味期限」の表示がされるようになったのは、1995年(平成7年)4月のことで、1997年(平成9年)からは完全に実施されています。(それまでは「製造年月日」が表示されていましたが、アメリカやヨーロッパなど国際的な習慣に合わせて「賞味期限」の表示が取り入れられました。)

表示が実施されてまだ10年、最近のことなのだ。
では「賞味期限」の表記がないころは、どうしていたか。

まず、視る、匂いを嗅ぐ、そして舐める。
つまり、味の期限の決定は、売る側ではなく食べる側にあった。
しかし、いまでは「賞味期限」という基準が出来たことによって買ったものが食べきれず、期限が過ぎればどんどん捨てている。

農林水産省の統計によれば、06年度、家庭での食べ残し廃棄量は一人一日41.6グラム。
4人家族で年間60キロもの食品を捨てていることになる。
さらに、この調査で、食品のむだを少なくするために気をつけていることは何かとの質問に、「製造年月日が新しいものや、賞味期限が長いものを選ぶ」が72.5%と最も高い数字であった。
いまや、僕たちは「賞味期限」というモノサシがなくては食べていいのかどうかの判断すら、出来なくなってしまった。
だからこそ、偽装表示が露呈する度に、TVで「何を信じればいいのかわからなくなった」という消費者からの怒りのコメントを聞くことにもなる。

考えてみれば、ほんの10年前まで僕たちは「賞味期限」の表記なしに、自らの嗅覚と視覚と味覚で、めったなことでは食あたりなることもなくやっていたのだ。
勿論、表記改ざんの企業が許されるはずもない。
しかし、商人のモラルの低下以上に、王様として甘やかされてきた僕たち消費者の五感の劣化ぶりのほうが、遥かに問題なのではないか。

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