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第240号『朝の所作』

【津軽塗の茶筒】
【津軽塗の茶筒】

先月、母の三十五日法要のため帰省した。
弘前は城下町であるが、じつに多くのお寺もある。
とくに城の西南に禅林三十三ヶ寺と呼ばれる寺町がある。
文字通り、三十三の寺がずらりと並んでいる。
その中の1つに菩提寺がある。
法要を済ませ、父の馴染みの蕎麦屋で昼食を摂る。
まだ、帰るには少し時間がある。

久しぶりに弘前の街を歩いた。
鍛冶町、桶屋町、百石町、五十石町、紺屋町。
小さな街である。
歩いても、たかがしれている。
お城に向かう坂の途中に「田中屋」という、津軽塗の老舗がある。
津軽塗は何十回となく漆を塗り重ね、凹凸を削り磨くという製法で知られている。
そして、その文様も独特のものである。

最近、日本茶を飲むことが多くなったからか、使い勝手のいい津軽塗の茶筒が欲しいと思っていた。

とりわけ朝に飲む一杯のお茶は心が静まり、好きだ。
早速、手に入れた茶筒から、茶葉を掬い急須に入れる。
お湯を一度、湯のみ茶碗に入れる。
これを急須にあけ、ふたたび茶碗に戻す。
すこし冷ましたお湯を急須に入れ、1分ほど茶の旨味をひきだす。
そして、ゆっくりと茶碗に回し注ぐ。

このプロセスがいい。
まどろっこしいことを、朝の忙しいときにあえてやる。
まるで、一日の始まりを前に、深く深呼吸をするような気分になる。

さて、今日もこの津軽塗の茶筒からさらさらとした、
茶葉を掬う儀式からはじめるか。

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