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第23号『何か嫌だ』

夏は野心で始まり、挫折で終わる。

世界文学全集を読む。単語を300個暗記する。自由日記を毎日書く。腕立て伏せを100回・・・
などなど、達成しえなかった思い出ばかりである。
少なくとも僕にとって、夏と、夏休みは、概ね挫折の繰り返しだった。

去年7月に、実弟が亡くなりしばらく何かをするという気力が失せた。

毎夏、必ず参加していたトライアスロンのレースもすべてキャンセルした。
(33歳から始めたトライアスロンはスイム・自転車・ランの3種目を一人で行う複合競技である。)

久々に参加しようと、近くに住むトライアスロン仲間で友人でもある平一廣氏(同年代であるが、すばらしい筋肉とスピードをもつアスリートである)と、6月頃から時々ご一緒させていただきトレーニングを再開した。
しかし、なかなかトレーニング時間をとることもままならず、プランの半分も実行できずにいた。
レース目前になり、その遅れを取り戻そうと、少しハードなトレーニングをした。
これまでもなんとか完走できていたのだから今回も少しトレーニングをすればなんとかなると思っていた。

トレーニング最後のランで左足裏側から突然ブチッという鈍い音が聞こえたような気がした。
腓腹筋(ふくろはぎ)の肉離れを起こしたのだ。
経験的に言えば練習不足からくる筋肉の硬直によるものである。
一度肉離れを起こすと2~3週間は修復に時間がかかる。
痛む足を引きずりながらの帰り道、これで夏は終わったなと思った。

「常識的に考えると、もはやトライアスロンなど行える年齢ではないよな。」
「いまの仕事のどこからもトレーニングの時間など生まれてこないよな。」
などなど、いかにトライアスロンを止めるかということの言い訳ばかりが頭を駆け巡った。
そして、失敗は過信と焦りが生む事も再認識した。

最後に友人の応援だけでもしよう。
試合当日、早朝から雨。
止める事の方が理論的に間違っていないし、常識的に正しい。
もうトライアスロンは止めるのだから、たとえ応援に行くだけにしてもこんな雨の日曜日、わざわざ朝早くから出かけるなんて理屈で考えたらやっぱり非常識だ。

でも、このままで終わるのは「何だか嫌だ」と感じた。

企画書を書いていてもそういうことがある。
理論的には正しい。(もちろん企画書であるから論理的でないと困るのだが)内容は正しいし間違っていない。
理屈では正しい。
でも、ぜんぜん面白くない。
「何だか嫌だ。」
そう感じたときは大概、安全な場所を探し世間の常識に擦り寄っている臆病な自分がいる。
実は結構これが本来の自分の姿なのだが、ここで踏ん張ることが面白い。
だから「何だか嫌だ。」と感じたときはそっちの方向に向かうことを止めた方がいい。と、もう一人の自分がぶつぶつとつぶやく。

レース会場はいつものなんともいえない高揚感に包まれていた。
水に飛び込んでいく時の緊張感、ゴールの時の開放感。
みんなキラキラしていた。

来年も野心で始まる夏になりそうだ。

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