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第174号『50歳からの起業 – 4』

【ルビンの杯(壷)】
【ルビンの杯(壷)】

ー 「いやだ」という方法 ー

赤ちゃんが最初に発する自己表現は「いやだ」から始まると聞いたことがあります。
お腹がすいて「いやだ」。
お尻がウンチで気持ちが悪くて「いやだ」。
遊んでくれなきゃ「いやだ」・・・
赤ちゃんにとって、たくさんの「いやだ」は、おそらく自分を守り、より気持ちのいい状態にするための防衛本能のようなものかもしれません。

会社を始めるにあたり、知人から事業計画書を作るといいよとアドバイスされたものの、その事業計画なるものがよくわからないのです。
わからないなりに、書いてみました。

会社としての意義や社会的責任とは?
企業webサイトの企画と制作を通して、コミュニケーションの活性化を図ること。

仕事への取り組みは?
質の高い企画と作品を作ること。

年間売上目標と達成方法は?
売り上げ目標年間●●万円。数社をクライアントとして持つ。

書いてはみたものの、なんだかしっくりとこないのです。
腑に落ちないのです。

たしかに、誰しも理想とする目標を掲げ、それを描いてみることが大切であることはわかります。
でも、他人事のように感じてしまうのです。
要するに書いたもののすべてが例え話であり、一般論なのです。

これからスタートする会社は友人から借りた250万円と、中古のDELLがあるだけです。
当然のことながら、やれることにも限界があります。
そして、勤めていた会社が二進も三進もいかず、覚悟は決めたものの、正直なところ高邁な理想もなければ、やりたいこともはっきりしているわけでもありませんでした。
だったら、せめてやりたいことではなく、やりたくないことをはっきりさせようと考えてみました。

赤ちゃんのように「いやだ」ということばを発してみようと考えたのです。

思いつくままに、「いやだ」をノートに書きだしてみました。
すぐに七、八項目ほど並びました。
不思議なことに、並べてみると、なんだかもやもやしていたことが少しスッキリした気分になりました。

「ルビンの杯(壷)」(人の横顔に見えたり杯に見えたりするイラスト)で有名なデンマークの心理学者、ルビンによれば「図」と「地」(Figure and Ground)の「地」は意味を持たず背景的に知覚される部分であり、「図」は意味を持って浮かびあがって見える部分であると定義しています。

ルビンは、この「図」と「地」がどんな法則で判別されるのかについて、多くの研究を行いました。
もし、視界の中に何も特徴がなく、「図」となるべき部分が見当たらなかったら(例えば雪に覆われた真っ白な山と降りしきる雪の関係)、距離感は生まれず、形の知覚は一切生じないというのです。
雪山を見ようにも、降る雪で見えない。
「地」と「図」がはっきりせず、山がどこにあるかもわからないのです。
つまり、人は「地」と「図」の関係を認知することによって、もののありようを把握することができるというのです。

ついさっきまで事業計画書を書いていた私にとって、それはまるで「激しく降る雪のなかで見上げた真っ白な雪山」を見ているようでした。

「地」と「図」をはっきりさせる。
「YES」と「NO」をはっきりさせる。
「すること」と「しないこと」をはっきりさせる。

そうして、つまり「いやだ」を考えてみました。
ファンサイトの3つの「いやだ」

・ いやな会社や、いやな人と仕事をするのはいやだ。
・ クライアントにへつらうのはいやだ。
・無料でアドバイスするのはいやだ。

そして、「いやだ」を裏がえすと、やるべきことや、とるべき態度もわかってきたのです。

・仕事を通して尊敬できる関係を築く。
・スタッフやお客様と共に成長する。
・十分な利益を共有する。

たった3つ、「いやだ」を決めたことで「冬の抜けるように濃い青空を背に真っ白な雪山」がクッキリと見えはじめたのです。

次回につづく

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