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第134号『非効率という豊かさ』

先日、日比谷で1時からの打ち合わせがキャンセルされた。
ほんとうなら、向いの席に座っているはずの相手の声が携帯電話の向こうから流れてくる。
聞けば、ダブルブッキング。
冗談じゃない。
「こちらもスケジュールはパンパンなんだよ。」
少し、けんか腰になった。
言った自分にも腹立たしい。
ともあれ、待ち人来ず。

次の打ち合わせは3時30分から四谷だ。
ぽっかりと2時間半もの時間が生まれた。

本屋に行こうか、CDをチェックしようか。
でも、これは1時間もあればできる。
2時間半の使いみちを考えてみた。
映画か。
日比谷にある映画館を覘いてみた。
映画看板の写真や、惹句からは、いまひとつ面白そうだと感じさせる臭いがしない。
さて、どうするかと立ち止まる。

ふっと頭の中に1つの構想が浮かんだ。
思いっきり効率的ではないことをしてみよう。と。

「日比谷から四谷まで歩いてみようか。」

風は少し冷たいが快晴。
足は、皇居を右手にお堀脇の歩道を半蔵門へと向かう。
こんもりと繁る皇居の森が目にやさしい。
お堀には冬の光のなか、水鳥たちがゆらゆらと浮いている。
警視庁、国会議事堂、最高裁判所、国立劇場を左手にズンズンと歩く。

途中ジョギングをする数人の人たちとすれ違う。
結構なスピードで坂を下っていく。
その分、桜田門から三宅坂へと勾配がきつくなる。
汗ばむ。
コートを脱ぐ。

さらに勾配がきつくなったあたりで、半蔵門が見えてきた。

半蔵門に到着。
来た道を振り返る。
凄い。
眼下に日比谷、銀座の街を一望。
日比谷から歩きはじめて、ここまでおよそ35分。

さて、半蔵門を左手に折れ、新宿通りを四谷へと向かう。
かつてこの道は尾根道だったのだろうか。
そんなことを想像しながら25分も歩くと、左手に聖イグナチオ教会の尖塔が見えてきた。

日比谷から四谷まで、電車なら20分もあれば着く。
たしかに、ぽっかりと空いた時間を非効率に使った。
しかし、なんだか気持ちがいい。
それは、少し汗ばんだ体に風が吹いてきたからだけではない。

もう、四谷駅は目の前だ。

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