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第200回『なぜ市場とすれ違うのか?!』

▼直感的なシンプル&わかりやすさ

 例えばトレンドのシニアマーケット。成長市場として期待されているシニアマーケットの課題は、明敏なビジネスマンには、十分理解していると言う自負がおありでしょう。高齢社会の到来は以前より自明のことだったからです。
 しかし、シニアになって見ると頭で考えることと実際は大きく違っていることを実感するはずです。
 ものづくりに際しての従来のガイドラインであったJISや安全基準などのデジュール標準は高齢者社会を迎えて十分に機能するのでしょうか?
高齢者の求める機能は・わかりやすさ、シンプルと言われます。
情報ツールとしてケイタイまたはアイフォンの成長が見込まれていますが、これらの設計・デザインの視点は、相変わらず新規技術や若い層への執着です。
しかし、現実にはI−padなどは高齢者や子供に人気です。
ユーザー・インターフェイスでは直感的に扱えて「・わかりやすく・シンプル」だからでしょう。

▼技術は誰のもの?

 日本の技術者は、どうもわかりやすさやシンプルが嫌いのようですね。こうしたことは技術者のレベルを引き下げたり、おもねりと錯覚され自負心が許さないのでしょうか?
 かつて「軽自動車」の取材をしていたとき、カーナビについて話題が出ました。ご承知のように「軽」のユーザーは生活べったりの人々です。したがって稼働もほぼ毎日。行動半径も日常生活圏です。こうした層を対象としたカーナビは「見やすく」「間違いのない」地図情報で、同時により地域に密接した情報です。
また車格とのバランスを考えるとお求めやすい価格であることも大切です。つまりは「高いユーザビリティ」と「低価格」が発想のフレームとも言えます。
 いまから10数年前のことですが、こうした技術者の問題意識は鮮明に心に残っています。

▼変わる市場への対応のカギは上から目線の排除

 いま製造者は、重大な岐路を迎えています。岐路とは企業と客との関わり方が根本的な転換を迎えているからでしょう。転換の理由は様々です。しかし、いままでの常識やマーケティング・ツール・・・効率化、最適化、JIT、集中的マーケティング、アウトソーシングなどなど・・・がほとんど利益や競争力を生むのに役立たなくなって来ています。
しかし、こうしたことは「判っているけれど、でも・・・」と手をこまねき静観しているのがいまの技術者の実情ではないでしょうか?
 仕事柄、私は多くのデザイナーやクリエイターにお会いして参りました。いずれも優秀な人たちばかりでしたが、共通点はみな技術に自信と誇りを抱いていることです。
しかし、いまやこのことがマイナスとなる可能性もあります。
同時に優秀な人ほどお客を消費者として利益を生むための手段として考えがちです。これは最悪なモデルかもしれません。さらにはこれに拍車を掛けるのが、新規技術こそニーズを生むモノ、差異化の要因であるという錯覚です。
こういたことが組織の中に無自覚に組み込まれ、すべての活動が、上から目線となっています。
したがって、例えば企業が行なう顧客ニーズを探索する消費者調査です。そこの基本的な情報探索で欠けているのは「人間」への眼差しでしょう。
つまり「人間」は、日常的な境界や区分を超えて活動し、実利的に還元される合目的な行動などとっていないことへの組織挙げての認識です。
また文化や文脈への関心も経営や製作現場に行くほどに希薄です。
調査においては無自覚に上から目線で、複雑な結果は期待されず数値に裏付けられた明快かつ論理的なレポートが好まれます。

▼成功のカギは「複雑性」の受け入れと「人間への洞察」

 優れた技術を持ちながら、それが活かされていない最近のビジネスはこうした合理的な情報収集と分析に原因がないとは言えません。
またI-pad、GOOGLE、フェイスブックなどユニークな競争力が生まれるのは「小さい組織から」と言うのもこの辺に事情がありそうです。 
最近欧米各社では定性調査が盛んといわれています。また観察調査も同様です。
その背景には、発想の場をオフィスやパソコンから離れ生活の現場へと言う考えが強くなっていることだと思います。そして人の持つ「複雑性」をどう認め受け入れることかビジネスの主課題となっているからでしょう。
そのためには専門の調査屋さんに丸投げせずに、お客を知るレベルを多元的にし、製造・流通・販売の3層+利用のレベルで情報収し、全員が人間としてのイマジネーションを発揮することをクリエイティブプロセスに組み入れること。そしてそうした集合の知を資源にして、お客の問題解決にあたるという開発発想と姿勢を大切にすべきだと思います。
言うまでもなく、いま生き残りを考える経営者・ビジネスマンの仕事は「人を知る」こと、人の日々の課題解決に取り組むことだからです。
敢えて例を挙げれば・医療マーケティングの競争優位は「患者への最適な貢献。」・・・
すべてはここに集約されます。
単純に過ぎますか?

1件のフィードバック

  1. 200回おめでとうございます。いつも鋭い視座に啓発されまます。これからもご指導のほど、よろしくお願いします。

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