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第115回「嫌われ者、マーケティング。」

どのような会社でも、いつまでも企業活動を続けていくには顧客を獲得し維持しなければならないと言うことに異を唱える人は少ないと思います。

しかし、こうした単純な事実を実践する唯一の方策であるマーケティングの必要について、実際に会社ぐるみ、しっかりと認知されているか、と言うとおおいに疑問です。
それはなぜでしょうか?
この点について、かつてT.レービットは以下の理由を、「経営者の近視眼」で挙げています。
(1)目的の取り違えによる機会損失
(2)事業のコアとそのポテンシャリティを限定的に見ること
(3)自信のある製品への過信
(4)成長が永遠に続くものという思いこみ
(5)必需品であること、また代替えがないとの確信
(6)生産中心の考え方、企業文化
(7)技術偏重
(8)セールスとの混同
などなどです。まさに今とどれほどの違いがありますか?

サラリーマン経験者なら誰でも判っていることですが、以上のことは、企業やその経営幹部が絶対的な自信をもって自らの経営・行動指針としているものばかりです。
しかし、マーケティングに求められるのは、顧客から発想した「客観性」に他なりません。
またマーケティングの効果は即効的ではありません。
したがって短期的な答えを求める経営幹部には、効果も不透明な、かつ経営者から見れば「傍観者的な」マーケティングの提言は「おもしろく」ありませんし、さらには、成功体験があり、過信の罠に嵌っている場合、さらに「不愉快」でさえあることでしょう。
まさに、マーケターは嫌われ者と言えます。

サラリーマンは、生きていく以上、そうした経営幹部や組織の空気への「配慮」と「事実」との狭間で、せめぎ合いをするものです。
その結果、リスクを冒すことを避けるのが人の常。
昇進の可能性のある人材なら、「無難」な方向に与しがちでしょう。
要は「もの言えばくちびる寒し」です。

有名な3Mはポストイットの成功に10年かかったそうですが、マーケターの「配慮」を排除するための制度を設けると言う、遠回りとも思える努力と時間も必要であったとのことです。
マーケターの声に耳を傾けるには、組織人の心の壁がいかに厚いかを示している逸話でしょう。
こうしたことを熟知している「大人」のマーケティングサービス業の人々は、クライアントに逆らったりしません。

そして、心を砕くのはクライアント優先の四方丸く収める提案です。
そうした見事な成果は、およそ60年に渡る広告会社の変わらない姿と業界内においての勢力の構図だと言ったら言い過ぎでしょうか?
そして同時に「顧客は無視」されたままです。

以上の諸々は、まさに「嫌われ者」が好かれるために行ってきた涙の軌跡なのでしょう。

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