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第11号『細く長く』

年の瀬です。まさに光陰矢の如し。そしてこの時間の速度は、年々速くなっているのと思うのは気のせいでしょうか?。とにもかくにも生活テンポは速いというのが実感です。
さてこのテンポのことですが、世界31ヵ国の生活ペースを比較研究している社会心理学者は、生活ペースのテンポの速い、遅いは地域の経済状態とおおいに関連があることを指摘しています。そして経済状態が健全で盛んな地域では時間が尊重されているし、また、時間を尊重する地域では経済は活発化していると述べています。この指摘は驚くには当たらないかもしれません。なぜなら経済の活力は工業化と密接に結びついているからです。19世紀半ばから20世紀のほぼ150年間を通して生まれた技術のほとんどは時間を節約するものでしたが、それらが普及するに連れて人々は前に増して時間不足に喘ぐようになってきているのは、なんとも皮肉なことです。ある仮説に順じた云い方をすれば、工業化は「時間を持て余した」社会から「時間が豊かな社会」を経て「時間に飢えた」社会へと社会を進ませたとも云えるでしょう。そしていま私たちは「時間に飢えた」社会の真っ只中にいるというわけです。
これって考えて見ると「資源・環境」問題とよく似ていませんか?。
かつてローマクラブが提起した「有限の地球」というコンセプトは、「生産と消費」の過度な拡大への警鐘の役目を果たしましたが、この「有限の時間」への認識は量産システムの論理に支配された私たちのライフスタイルや心性への警鐘となるかもしれません。
最近、経済の一翼を担う企業のトップお二人のインタビューを構成させていただきましたが、どうやら企業の今後の活動方向は、製品・サービスのロングライフ化とそれらの提供による生涯価値の実現にシフトしていく気配を感じました。つまり先端の企業では、従来の生産→消費の短サイクル化からロングライフ・ロングバリューへと戦略を切り替えつつあるようです。
これにより、また私たちの時間意識も「せっかち」から「のんびり」へと変わるのでしょうか?
時代は「太く短く」から、「細く長く」へ、また、暮らしはファーストからスローへ、・・・早目の年越しを啜りつつの愚感です。
* 参考:「あなたはどれだけ待てますか」ロバート・レービン著(草思社刊)

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