『さかなぴちぴち』という地道なイベントも気がつけば丸三年。この3月の開催で第9回。
途中一年間休んだわりにはゆるゆるとではありますがコツコツと続けられました。
このイベントは親子で魚を楽しむというシンプルなコンセプトです。
全国学校給食協会の関はるこ先生と僕とで始めた小さなイベントですが、気がつけば仲間も増え楽曲や映像も出来ました。
このイベントのことの起りですが、4年前に僕が会社員を辞め独立する端境期に全国を廻っている時に小さな漁港が潰れて行く様を目撃しました。
と同時に朝日新聞に掲載された徳島の漁師の記事に出会いました。漁師の言葉は若い子たちの魚離れへの憂いと魚食が日本の家庭の食卓文化の大切さを担う想いに溢れていました。
僕はすぐにその漁師に会いに徳島へ行きました。
彼は僕を市内のスーパーに連れて行ってくれました。そこには都会で見る魚と同じ限られた魚種しかも普通の鮮度のものが売られていました。
彼はそれを見ながらこうも言いました「小学校で魚の絵を描かせたら切り身が泳いどる。徳島でもほやけんな。」
東京だけでなく日本中が蝕まれている現実。目で見る真実は本やテレビより雄弁です。
その晩、夜通しで漁師と酒を交わしながら、今を憂うより前に進めようと互いの意識を交換。
まずは自分に出来るところから、小さくても始めよう。
魚はオモシロイ。丸いのもいれば、細いのもいる。赤いのもいれば、真っ白けもいる。
そして旬で鮮度がちゃんとした魚はどれも美味しい。
子供は反応してくれる。わが子の反応を見る親御さんはこれまたウレシイ。
でも大きなことは一気にはできない。小さくていい。ちゃんと顔が見えて体温が感じられるような空間を創ろう。
そして漁師の想いを携えて東京へ戻り始めたのが『さかなぴちぴち』です。
サザエさんの町桜新町から始めよう。なぜならサザエさん一家は全員の名前が魚。コトはまずシンプルに。
そして住宅街の真ん中から言葉と気持ちが通う範囲から始めよう。
小さく地道な芽だけれど、いつかは漁師の想いを乗せてあちらこちらに花を咲かせてくれるはず。
食育のマインドを持ちつつも、とにかく魚を楽しむ。なぜなら、魚はシンプルに楽しいから。
イベントを行う僕らの心の真ん中には、いつも漁師の想いがドカンとあります。
次回は第10回。さて、何をしようかな。今からワクワクです。
漁師とはあれ以来、家族ぐるみのつきあいです。
*『さかなぴちぴち』第9回~お寿司をにぎろう~の映像レポートがこちらのサイトページからご覧になれます。
http://shokuguru.com/category/sakana-event/