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2020年10月29日第884号『ズラす作戦』

【YTRIのT】

この秋から冬にかけての期間、チャレンジしていることがある。
それは、3時間持続して走ることが出来るようになること。
来年のトライアスロン出場(まだ、どのレースに出るかも決まっていないが)に向け、持続力と筋力を向上させるためである。

そもそも、歩くことと走ることの違いは何か?
歩く時は、どちらか一方の足が地面に着いているが、走る時は、両足が地面から離れている状態にある。
因みに、着地した時の衝撃の違いをみると、ウォーキングでは体重の約1.5倍、ランニングでは体重の3倍の衝撃がかかる。
したがって、その衝撃は内臓にも負担がかかる。
持続して走るためには、大腿四頭筋(大腿直筋・広筋)、大腿二頭筋、前脛骨筋、下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)など足回りの筋肉はもちろんのこと、胃や腸などの臓器をしっかりと抑え込むために腹筋や背筋を鍛える必要もある。
そのためにも、少なくとも週数回の筋トレも欠かせない。

さて、トレーニングでの一番のハードルは、走り出すまでの準備時間。

これまでの習慣で、朝はPCや携帯でメールのチェックをしたり、ニュースを見たりと、ずるずると時間を過ごすことが多かった。
面倒くささも手伝って、走り出すまでに時間がかかってしまう。

なんとかしなければと、この状況を乗り越えるべく方法を考えた。

そもそもなぜ、面倒くさいと感じるのか?
それは、頭の中刷り込まれた、習慣という意識である。
一般的に脳は、過去に受け入れた知識や経験と合致するものしか受け付けない。
しかも、これまでと違う動作を要求されたり、とてつもない量の情報が押し寄せてくると本能的に拒絶する。
これまでの習慣と違うことを要求されるから、面倒に感じるのだ。
では、どうするか。

「ズラす」、こと。
僕は新しい習慣を導入する時、この方法を採用している。
30歳の時、この「ズラす作戦」でタバコをやめることが出来た。
まずは、手帳を用意し、日々、タバコを吸う場所と時間と行動を観察し、加えて吸った本数を数え、記録した。
こうして、数日もすると僕のタバコに関する動向が見えてきた。
例えば、朝起きてコーヒーを淹れ、最初の1本に火をつける。
そして、朝食を済ませ、ここで2本目・・・といった具合にである。
記録してみて分かったことだが、習慣とは無自覚に行う動作のことである。

このタバコを吸う時の動向を踏まえ、次にこんな実験をしてみた。
朝起きてコーヒーを淹れず、まずは水を飲む。
これまで、コーヒーを淹れる動作とタバコに火をつけることが、習慣として組み込まれていた。
ここに、水を飲む動作を入れることで、これまでの習慣をズラし、タバコを無自覚に吸っていた行動を回避することが出来るようになった。
習慣になっているものは、ある特定の場所や動作とセットになっていることが多い。
だから、このタバコを吸う場所や時間や動作をズラしていけば、無自覚な行動=習慣を変えることが容易になる。
こうして、本数を徐々に減らしていき、半年後(酒を飲んだタイミングでの1本を完全に無くすには、少し苦労したが)にはすっかりやめることが出来た。

久々に、この「ズラす作戦」を採用してみた。
これまでなら、PCの前に座るか、携帯でメールのチェックをし、気がつけばズルズルと見続ける羽目になっていたが、今回のこのズラす作戦は、意外にも効果が早く現れている。

まずは、これまでの朝の習慣を観察してみた。
掃除をした後、お茶を淹れ、PCの前に座り、ニュースを見たりメールのチェックをしたりと・・・。
そして、気がつけばズルズルと見続けている。
この習慣をズラすために、お茶を淹れるかわりに、水を飲み、その後、ランニングウエアを着るという動作に変えてみた。
これを数回繰り返すことで、まるで上書き保存でもするかのように、新たな習慣の置き換えが出来るようになった。

今年は、目標としていたレースが軒並み中止となり、練習を続ける気持ちを保つことの難しさを感じていたが、新たな習慣を獲得したことで、ランニングの時間も徐々に増やしていくことが出来るようになってきた。

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執筆者

川村隆一

川村 隆一

ファンサイト有限会社
代表取締役

1952年1月生まれ。
日本大学芸術学部卒業。
日活株式会社、日本工学院専門学校映像デザイン美術科(現)グラフィックデザイン科専任教師、株式会社Cカンパニー、株式会社ナガセ等を経て、ファンサイト有限会社を設立。
資生堂・イオングループ・キリンビール・マツダ等の企業コミュニケーション/広報活動のためのディレクションとプランニングを手がけてきた。

【書籍】「企業ファンサイト入門」日刊工業新聞社刊 2006年
【賞】経団連海外広報センター最優秀デザイン賞(横浜銀行アニュアルレポート)

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