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2020年07月30日第873号『以前のようにはならない』

【交差点】

横浜の自宅でリモートワークを始めてから、4ヶ月。
外出するのは、スーパーに買い出しに行くか散歩やジョギングをする等、ほぼ自宅から半径5キロの範囲で移動するのみの生活が続いている。
こうしてみると、コロナ禍以前と比べてみて、大きな違いは電車に乗らなくなったことと、外食することが極端に減ったことだ。

先日、久々にクライアントと直接対面での打ち合わせがあり、都内に出かけた。
仕事が終わり、少し小腹が空いたので食事を摂ろうと、駅までの道すがら、居並ぶ居酒屋、カフェ、定食屋さんなど覗いてみた。

どこの店舗も席の空きが目立ち、おそらく半分以下の客入りではないかと感じた。
そして、入るのに二の足を踏む・・・。
これも、コロナ禍での影響なのだろう。

コロナ禍で、外食店経営の常識が一変した。
都内の繁華街に競うように出店し、店舗にたくさんの人を入れ、どんどん回転させ賑わせる。
集客にはグルメサイトを使って顧客を呼び込み、満席にする。
いわば、これまでの外食産業の常套手段がもろくも崩れ去ろうとしている。
競って奪い合っていた好立地店舗物件の高い賃料はかえって重しになり、店内いっぱいにお客様を入れることは、今やもっとも敬遠される。
加えて、このコロナ禍の事態でグルメサイトは(集客が芳しくない)ポイントなどによる新規顧客獲得にはまずまず有効だったが、常連客の確保に十分な力を持てていないことも判明してきた。

ニュースサイトで得た情報だが、都内の飲食店の多くは緊急事態宣言を受け、4月に休業し、宣言解除後に再開したものの、客足は宣言以前の6割に満たないという。

僕自身の実感からしても、これから先も、いまの状態が続くとすれば外食の機会はあきらかに減るだろう。
ただし、ファンとしてどうしても応援したいお店にだったら定期的に通うが。
さらに、政府が要請している企業のリモートワーク7割が定着すれば、間違いなくサラリーマンの方々が会社帰りに飲んで帰る習慣も減る。
そして、感染の第2波(もう来ていると思うが)、第3波が来れば、再度、時短営業や衛生管理ルール要請も厳しくなるだろう。
そのための労力もコストも計り知れない。

こうした現状はいつまで続くのだろうか?
誰にもわからないことだが、たとえコロナ禍が収束したとしても、以前のようにはならないと思う。

なぜならば、多くの人のマインドが変わったから。
すでに、お客様側に変化が起きているのではないか?
簡単に言えば、これまでカッコいいと思えたものがダサく見えはじめているのではないか?

例えば、以前のようにオシャレなレストランや、いま流行っている食材や料理方法を提供するところで食事をすることに、それほどワクワクしなくなっているのではないか?
例えば、都心の一等地に建つオフィスビルで働き、住まいはベイエリアの高層マンションという姿が、それほどカッコよく見えないのではないか?
もはや、過去の習慣やトレンドに囚われない新たな価値観が芽生え始めているのではないか?

小腹の空きを我慢し、いくつもの???を頭の中に点灯させながら、足早に駅の改札口へと向かった。

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執筆者

川村隆一

川村 隆一

イタリアおもてなし家庭料理、ベジフルマイスター。
北海道松前町出身。
ネット販売ショップ『メルカートオッティモ』を展開。
農と食の2本柱で、イタリア料理全般のレシピ提案、メニュー開発、企業外部講師、ワインと食をテーマにした商品開発。

Mercato Ottimo
http://www.mercatoottimo.com/

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