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第575号『ふるさと』

【夕焼け、ふるさと、夏祭り】
【夕焼け、ふるさと、夏祭り】

津軽の夏祭りが始まると、TVニュースで流れた。
そして、聞き慣れた祭り囃子と太鼓の音色も聴こえてきた。
匂いもそうだが、音も普段眠っている記憶を呼び起こす。

幼いころ、この季節になると父、母、弟と一家4人で祭りに出かけた。
そして、最後はいつもの蕎麦屋で食事をした。
注文した品々がでてくるまで、安心して父と母に抱かれ、弟とふざけ合った。
ささやかだけれど、満たされていた。

父が亡くなり一年経つ。
桜の開花にはまだ早い4月初め、菩提寺のある弘前に帰省した。

13年前に弟が脳腫瘍で亡くなり、8年前には母が、そして父が去り、家族は
誰もいなくなった。
これで、もうここには帰ることもないかもしれない。
ふと、そんな気持ちになった。

せめて、ボクとボクの家族が生きていた風景を記憶のかなにだけでも、とど
めておきたかった。

滞在中、街を彷徨った。

鍛冶町にある喫茶店、土手町の書店、富田町の蕎麦屋、紺屋町にあった映画
館跡、五十石町の路地、そしていまは跡形もない家の周りを。

室生犀星 のうたが口をついて出た。

ふるさとは遠きにありて思ふもの

そして悲しくうたふもの

よしや

うらぶれて異土の乞食となるとても

帰るところにあるまじや

ひとり都のゆふぐれに

ふるさとおもひ涙ぐむ

そのこころもて

遠きみやこにかへらばや

遠きみやこにかへらばや

もうすぐ、ふるさとでは祭りが始まる。

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