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第57号『山中湖ロードレースニュース』

5月25日、午前9時30分、うす曇り、気温14度、微風。

ここ数ヶ月の間に数回の海外出張などもあり、ほとんど練習時間がとれない、走れない日々。
その上、3年ほど前に傷めた腰の痛みも再発するようになった。
(なんだかいきなり言い訳ばかりでカッコ悪いです)
いつもはゴールの目標タイムを決め、1キロをどのくらいで走るかを計算してレースに臨む。
例えば、14キロのコースを去年は1時間25分で完走できたのだから、今年は1時間24分でゴールしよう。
であれば1キロを6分のペースで走る、と言うように。

自分を信じるに足りうるべきものが何もないとき、恐怖が心を襲う。
だから、恐る恐る最後尾から走りだす。
こうして、この日山中湖一周ロードレースはスタートした。

スタートしてしばらく、よくよく回りをみれば、じつに楽しそうな人たちで渦巻いていた。

ランニング用に開発された乳母車で赤ちゃんと一緒に走っている若い夫婦、トラや、熊や流行のキャラクターの着ぐるみを着て走っている人たち、障害のある人、そしてその伴走をしている人、歩むがごとく走る高齢の方が、あるいは走るには少し体が重そうな体型の人、途中で立ち止まりお互いに記念写真を撮る人、携帯ラジオを手に持ち湖の景観を眺めながら走る人・・・

スポーツ番組のマラソンレースで観る先頭集団をカメラが追い続け、解説者が克明にランナーの心理や肉体を分析し語り続ける。
そして、そこには強靭な肉体と精神が、あるいは速さが生み出す美しさが写しだされている。

最後尾集団は先頭集団のそれとはあまりに違う。
しかし、そこには小さなドラマと出来事が溢れていた。

悲しさや美しさは一様であるが、幸せや楽しさは多様である。

3キロ地点にさしかかり時計に目を遣る。
24分40秒。
遅い。1キロを8分10秒以上かけて走っている。
いや、恐らく周りからみれば歩いているとしか見えないだろう。
でも楽しい。
走っていること、そのことが無性に楽しいのだ。
富士山がうっすらと優美に姿を現し、湖畔には花みずきの白い花が咲き乱れている。
湖からの微風が気持ちよい。
犬を散歩させながら、子供をあやしながら、お弁当を食べながら、手を振り、手を叩き応援してくれている沿道の人たちも実に愉しげである。

ぼくはストップウオッチのボタンをオフにした。
そして、いままで気づかずにいた楽しさをじっくりと味わい、その渦の一部になりゴールに向かった。

最後尾集団の模様を、各放送・通信メディアに代わってファンサイト通信がお送りしました。

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