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第563号『週の始まりは、掃除から』

【横浜金沢アトリエ】
【横浜金沢アトリエ】

ファンサイトでは毎週月曜日の朝、「fun meeting」という制作と営業のミーティン
グを定例で行っている。
この「fun meeting」開始30分ほど前に、全員でアトリエの掃除をするのが決まりで
ある。

精神修行のためにでも、経費節約でということでもない。
なぜ、週の初めの掃除が習慣になったのか理由は定かではない。

毎朝、仕事にとりかかる前、仕事場の掃除していた父を真似ているのか。
あるいは、生活の基盤となる場を整えるということには、もっと根源的な何かが隠さ
れているのかもしれない。

長崎の出島から江戸へ旅したシーボルトの『江戸参府紀行』の一文である。

「日本の農民は驚くほどの勤勉さを発揮して、岩の多い土地を豊かな穀物や野菜の畑
に作りかえていた。深い溝で分けられている細い畝には、オオムギ・コムギ・ナタネ
やキャベツの類・カラシナ・ハトマメ・エンドウマメ・ダイコン・タマネギなどが一
フィートほど離れて一列に栽培されていた。(中略)いまわれわれは幅広い街道に立っ
てすばらしい景色をあかず眺めた。両脇に緑の苗床や菜園がありマツ林をを通りぬけ、
村々の間を通るよく手入れされた道は、わが故郷の公園にある散歩道に似ていた。
この道は、曲がり角に来ると新しい景色が旅行者を驚かすように、考えて作ったのか
のように思われる」

良く手入れの行き届いた農村の景観に、外国人が驚嘆の声をあげている。
このシーボルトの紀行文を読んでいると、なぜか誇らしい気分になる。

他に、こうした当時の生活を記したもとしては、宮本常一著『イザベラ・バードの
「日本奥地紀行」を読む』や、膨大な資料を編纂した名著、渡辺京二著『逝きし世の
面影』などでも、その身綺麗な生活環境の佇まいが随所に記載されている。

丹誠込めて手入れされた水田、ゴミの落ちていない道、よく拭かれた床や窓枠、こう
した作法は日本文化の根幹と言うべきもののひとつである。

勤勉を尊び、清潔を旨とし、この小さな島国の内も外も隅々まで丁寧に掃き清めるよ
うにして、美しい生活の景観を作ることは、ある種の道徳ですらある。
それが、何百年と続いてきたこの国の誇るべき遺伝子ではないか。

してみれば、月曜日の朝、小さな仕事場を掃除することにも、小さくない意味があり
そうだ。

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