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第456号『理想郷』

【福来る】
【福来る】

1月2日、60歳の誕生日をむかえた。
これで、年金納付の義務を終え、受給の権利を得た。
30数年間、どんなに苦しい時も納付し続けてきた。
この国には、皆で皆を支え合う、健康保険と年金という制度がある。
制度に完璧なものはない、だから問題も多々ある。
しかし、それでも、この制度のおかげで基本的な支えの一部を賄うことができる。
ありがたいことである。

いま、経済人の一部、例えば、楽天の三木谷やユニクロの柳井は、グローバル化を声だかに叫んでいる。
要するに、彼らは、激烈な国際競争を勝ち抜くために、生産性が高く、効率的で、世界のどこでも互換でき、不要になれば廃棄しても構わないという仕組みと人材が欲しい、それを邪魔するなら国のフレームさえ要らない、と。
一私企業の経営者の発言としては、極めて理にかなっている。
しかし、国というフレームがなければ生産し、利益を収集しても分配し直すことはできない。

この国で生きる大多数は、日本語しか話せないし、ここから出て行くこともできない。
老いも若きも、男も女も、病人も、健常者も、能力の高低にかかわらず、皆が生きていくことができるように尽力することが、古来より大人の、とりわけ成功した者のふるまいではなかったか。

老子曰ク
民ヲシテ死ヲ重ンジテ遠ク徒ラザラシム。
舟輿アリトイエドモ之ニ乗ル所ナク、甲兵アリトイエドモ之ヲ陳ヌル所ナシ(略)
隣国相望ミ鷄犬ノ声相聞エテ民老死ニ至ルマデ相往来セズ。

二千数百年前、老子は言い当てている。
民をして遠くへ遊ばせない、舟があっても乗せない、甲冑があっても着せない、(略)目の前が隣の国で鷄や犬の声聞こえるのに、民老死に至るまで相往来しない。

小さく、少なく、閉じた国。
これこそが理想の郷であると。

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