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第425号『暗さを楽しむ』

【節電している駅通路】
【節電している駅通路】

3.11以降、芳しくないことが多い。
しかし、幾つか良かったと思えることもある。
その1つが、節電という怪我の功名か、夜の闇がほんの少し濃くなったことだ。

海外を旅すると殊の外、昼の明るさと夜の暗さに気が付く。
ヨーロッパの区々は特にそれを感じる。
随分前のことで、どこのカフェだったか忘れたが、夕暮れ時なのに店内がやたらと暗い。
日本ならパッと明かりを灯すのに。
停電かと思い周りを見ると、皆、椅子に腰掛け、悠然と闇に包まれていく時間を楽しみ、お茶を啜っている。
まるで、店も人も通りも、煌々と照らされることを拒み、むしろその薄暗さを楽しんでいるかのようにみえた。

動から静へ。
子どもの時間から大人の時間へ。
明から暗へ。
こうして、暮れなずむ時と、暗さがもたらす豊潤さを体験した。

そう言えば、学生最後の秋に友人と京都へ旅した時の闇も、印象深かった。
目的は、古寺にある屏風絵や襖絵を観ることだった。
ゼミの教授から事前に教えていただいた数カ所の寺と交渉し、許しを得た。
30数年も昔のことである。
いまではちょっと考えらないが、当時は随分と規制も緩かったのだろう。

ともあれ、僕たちは奥の院(保存の意味もあってか、ほとんどが自然光の届かない場所に置かれていた)へと導かれ、作品を観ることができた。
そして、そのいずれもを電球の下に照らされ観たのではない。
どれも必ず、両脇に蝋燭の揺らぐ明かりのなかでの観覧だった。

発見と驚きがあった。
金箔の地に描かれた花も鳥も風も月も、浮かび上がってくる。
まるで、三次元映像のように。
絡繰りは、蝋燭の明かりと金箔が同調し、透けて見えるからだ。
つまり、金箔は金という色ではなく、透明な空間になったのだ。
闇の中に浮かびある花鳥風月を愛でた、先人たちの豊饒を感じた。

陰影礼賛。
今宵は、月の光の下で、ほの暗さを肴に一献やろうか。

お知らせ
来週から、いよいよ連休。
今年は、随分と長い連休を予定しているところもありそうです。
弊社は暦通りですが、ファンサイト通信は、4月29日、5月6日と2回お休みをいただきます。
次回は、5月13日配信予定です。
それから、先週のファンサイト通信424号でもお伝えしましたが、19日 NHKラジオ第1「あさいちウォッチビジネス編」で「ファンサイト」についてのお話がオンエアされました。
恐らく、ここ数日以内に番組HPにアップされるとのことでした。
聞き漏らされた皆々様、ご高覧いただければ幸甚です。

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