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第404号『古酒豊潤』

【i文庫のアイコン】
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先週、3年間使っていた携帯電話をiPhoneに換えた。
併せて、i文庫を購入した。
あまり言いたくないが、この手のモノには懐疑心と苦手意識がある。
でも、「電子書籍」というものを試してみたいという好奇心が沸き起こった。

わずか450円で芥川龍之介、太宰治、夏目漱石などの名立たる名著、151作品が読める。
早速、ア行にある芥川の『鼻』を読んでみる。
さぞや、読みづらいものだろうとページを捲る。
いや、以外と読みやすい。
タテ組、明朝体のフォントも美しい。
素直に、物語に入っていける。

この短編を読み終え、続けて夏目漱石の『明暗』を読む。
幾多の、作家や評論家が屈指の名作として、牛に汗し、 棟に充つほどの理路があるが、実はこれまで読んだ記憶がない。

『明暗』は大正初期の東京山ノ手に住む、中産階級の生活を活写したものである。
主人公の津田由雄はそれなりの会社に務め、洋書も紐解く教養人である。
しかし、実態は自尊心と虚栄心が強いばかりか、自分の利害と打算には極めて敏感であるが、他者への配慮は鈍重な人物である。
余裕のあるように見せて、実のところお金にも精神的にも汲々としている。
あらすじは津田と、その妻お延を軸に流れていくが、 必ずしもこの二人が中心というわけでもない。
すべての登場人物が、お互いにとって得体のしれない 「他者」として存在している。
いわば、群像劇のような体をなしている。

『明暗』に描かれているのは、大正時代の人々の内実を 象る過去の物語ではない。
自尊心、虚栄心、劣等感、このエゴイズムに縛られ生きる、 今々の日本人の肖像である。 「新しい酒を古い革袋に入れるな」は金言である。
しかし、「熟成した古酒(コンテンツ)は新しい革袋(デバイス) に入れて」も、その豊潤さは失わないものだと判った。

2件のフィードバック

  1. 遂に、iPhone投入ですか!(笑)日本初登場日に購入して、そういえば、カワムラさん、iPhoneのデバイスとしての機能、将来性に懐疑的だったのを思い出しますが、私の予想以上のブレイクですよね(^○^)
    電子図書は、やはり、iPadで読まれる方が、まったく世界観が違いますが(^_^;)

  2. えいちゃん、どうも。僕の予測、まったく当たらなかったでね。(汗)
    新しいことには、どうも積極的になれなくて・・・。でも、ボチボチやっていきます。また、いろいろご意見ください。よろしくお願いします。

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