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第344号『送り絵』

【弘前ねぷたの送り絵】
【弘前ねぷたの送り絵】

街は祭りに包まれていた。
日曜日、弘前の「ねぷた祭り」を観た。
幸運にもねぷたの運行コースに、友人のレストランがある。
食事を摂り、酒を飲みながら祭りを堪能した。

青森市は「ねぶた」と云い、弘前市は「ねぷた」と言う。
「ぶ」と「ぷ」が違うだけではない。
似ていて、非なるものである。
青森の「ねぶた」は立体的な武者人形を象る。
弘前の「ねぷた」は扇型の灯籠であり、平面に武者絵を描く。
違いはこればかりはない。

「動」と「静」。
動の熱を体現する青森の「ねぶた」に比べ、弘前の「ねぷた」は静かな熱を放つ。
その、静かな熱を特に感じるのは「送り絵」と呼ばれる背面に描かれた絵である。
「送り絵」は、「ねぷた」の正面に描かれる猛々しい武者絵とは対照的に、優美かつ艶かしい女性の姿が描かれる。

夜7時、日も陰り、彼方から太鼓の音が低く響いてきた。
いよいよ、運行開始である。
続いて、打ち鳴らされる太鼓の隙間から笛の音が流れる。
太鼓の音と笛の音が近づいてくる。
間もなく、巨大な灯籠が次々と坂を下りてくる。
ゆっくりとゆっくりと目の前に現れては通り過ぎていく。
まるで、映画の一コマのような目眩を覚えた。

「送り絵」を見ながら、ふと母に手を引かれ、祭りに出た、遠い日の記憶が甦った。
そして、母の甘酸っぱい乳房の匂いを嗅ぎたくなった。
母が逝って、3回目の夏をむかえる。

お知らせです。
8月14日(金)、ファンサイト通信はお休みです。
次回は8月21日(金)配信します。
皆様、よい夏休みをお過ごしください。

1件のフィードバック

  1. 私は断然弘前ねぷた派です。
    闇の中に消えていく行燈が美しい。

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