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第307号『ファンの聖地-2』

【待ち人】
【待ち人】

ニッチ【Niche】とは直訳すれば「隙間」や「くぼみ」のことであるが、もともとは生物学で生態ごとに生きて行くうえで、自分にとって優位なポジションを表す意である。
例えば恐竜など爬虫類が栄えていた頃、哺乳類はネズミのような姿で、活動も夜行など目立たず隙間を縫うようにして生きていた。
哺乳類にとって、それがその時の生きて行くうえで優位な位置だったのだ。

先日、友人のA氏からB級グルメの聖地で「食べ歩き」をしないかと、誘いを受けた。
そんな場所が存在するのか、少しワクワクした。
しかして、平日の夕方5時、聖地の入口、京成立石駅に降り立った。
駅の階段を降りるとすぐ目の前に古いアーケードのある商店街が広がる。
アーケードの一角にあるホルモン焼き「宇ち多“」からスタート。

店の前にはすでに数人が順番待ちをしていたが、あまり待つことなく暖簾をくぐり店内に入れた。
ほぼ満席だったがすんなりと細長いテーブルに付くことができた。
しばらく店内の様子を窺う。

「ツル、テッポウ、コブクロ、シロ、ガツ、ハツ、カシラ、焼酎の梅割」とお客が注文する。
「お客さん、梅割もう3杯目だからこれで止めときな!」

お客と店のおやじとの注文の遣り取りにもリズムとルールある。
僕もこの「梅割」を飲んでみた。
3杯飲んだら倒れる、聞きしに勝る効き目である。

30分足らずで、次の店「ミツワ」へ移動。
ここでは、刺し盛り三種と蒲焼きがお目当てである。
どれもこれも、安い旨い。
もっと!と思いながらも後ろ髪引かれつつ、3軒目、立ち食い寿司屋「栄寿司」に入る。
店内は女性客が多い。
カウンターを挟んで職人に次々に注文をしている。
A氏お勧めの、つぶきも、白子、ぼたんえび、とこぶし、穴子、煮蛤の中から穴子を口に放り込んだ。
しゃりと穴子がとろけ、混ざり合う。
このままもう少し食べたい、が、気持ちを押さえ次の店へ移る。

今度は、京成線の踏切を渉り、駅の反対側へと向かう。
駅裏の路地に入り込むと蛍光灯の明かりに照らされた「のんべ横町」の看板が現れた。
まさしく「昭和」の世界への入口をくぐり抜ける。

40人ほどが座れるカウンターのみの店「江戸っ子」は煮込みとホルモン焼きが売りだ。
ここでは、白みそ仕立ての煮込みを食した。
確かにその通り、納得いく味である。
もう1杯を我慢し、焼き鳥と焼きそばが旨い家庭料理の店「三平」に移る。
早速、焼きそばと焼き鳥で日本酒を飲む。
そして最後の店、京風おでんの店、その名も「おでんや」。
おでんの旨さと、イモ焼酎の品揃えに嬉しくなった。

店を出て、時計を見れば時間はまだ10時を少し回ったばかり。
5時間におよぶ京成立石の食べ歩きの旅は終わった。
メンバー5人と、この日の清算をする。
締めて一人、5000円と少々。

どの店も共通していたのは、安くて旨くて、常連客が多い。
そして「過ぎたるは及ばざるがごとし」と、飲み過ぎを禁める店主がいた。
明日も来てほしいから、「今日はここらで止めときな」と間の手を入れる。
ほっこりとした温かさがある。
これが常連客=ファンが付く理由だ。

なるほど、ニッチとは居心地が良い場所のことであると納得した。

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