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第295回『インサイトストーリー』

【プールの水面】
【プールの水面】

釣り好きな先輩から、篤とその奥義を聞かされた。
曰く、狙う魚によって、えさ、糸の長さ、潮目、時間を読みながら釣糸を垂れるのだと。
傍目からはのんびりと見えるようでその実、細々と計算していることが少し理解できた。

この不景気なご時世でも流行っている場所は必ずある。
お客を魚に例えるなら魚ごころならぬ、客ごころを掴んでいるということか。
2つほど気になる場所があり出掛けた。

まずは1つ目、仕事場の近くにある公営の室内プール。
これまではお役所仕事で9時からの開場だったが、民間委託により4月から7時に時間を変更した。
これが功を奏した。
いままでは並ぶこともなくチケットを買うことができたが、いまではチケット販売機に列ができるほどになった。
朝から身体を鍛え、スッキリとした気分で出社したいと考えていた客のこころを掴んだ。
つまり、客にとってはただ泳ぐためのプールではなく、朝から頑張っている自分を発見する場所が欲しかったのだ。
そして2つ目は自宅の近くにあるパン屋さん。
そのパン屋さんは駅から離れた住宅街にある。
まるで「大草原の小さな家」を想わせるようなログハウス風の平屋。
商店街でもない住宅地エリアでの開業が良かった。
平日は勿論、土曜、日曜は特に親子連れでいっぱいになる。
まるで、休日この小さなパン屋さんに来ることで家族愛の確認をしているようにも見える。
もはや子供たちも両親も、このパン屋さんは単なるパン屋さんではなく、幸せな時間を共有する場所として記憶することになった。

流行るには理由がある。
プールもパン屋も本来持っている泳ぐための場所、パンを買うための場所といった機能だけではない何かを提供した。
それは、自分にとって意味ある物語を醸成できる場だということである。
つまり、個々人のこころの内側(インサイト)に釣り針がかかったのだ。

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