第273号『変える力』

【響き合うワイングラスたち】
【響き合うワイングラスたち】

浜町にアトリエを構えて、今月で1年になる。
この間、何が一番変わったか。
それは、アトリエにきていただいくお客様の数とメンバーの成長である。

会社創業以来、スタッフもなく一人でファンサイトという会社をドライブしていた。
それなりに、忙しく、かつ楽しい仕事をいただき、続けることができていた。

06年の春、幸運にも「企業ファンサイト入門」という本を上梓した。
このことがきっかけとなり、ファンサイトという考え方をもっと多くの人に、分ってもらえるようできないかと考え始めた。
もはや、一人で悦に入いる場合ではなかった。

この本の上梓の時期を前後して、一緒に戦える仲間を求めて、多くの方とお会いした。
そして、集まったメンバーは、元輸入業、元大手生命保険会社のSE、公務員を辞し、専門学校を卒業したてのデザイナーの卵と、クリエイティブの世界では初心者ばかりであった。

メンバーのほとんどが初心者だったのは意識してのことではなかった。
結果としてそうなっただけのことである。

確かに、選ぶ基準はあった。
どうしてもいまの自分を変えたい。
そう強く思っている、と話してくれた人に声を掛けた。
それは、僕自身が変わりたいと想い、それを共に実現することができればと思っていたからだ。

ファンサイトは企業のコミュニケーションプランを提示し、それをみえるカタチに具現化する集団である。
そのモノづくりの最前線として浜町アトリエがある。
スタッフが集まり、時にクライアントまで参加し、丁々発止のやりとりをする。
クライアントと伍して議論するには、人並み以上に勉強する必要がある。
まして、もともとが初心者集団である。
本気で切磋琢磨していなければ、すぐに見抜かれる。

最近、企業からいただくお話も、従来の方法ではなく、いまの現状から変わりたいというご相談が多い。
従来のクリエイティブの考え方ばかりではなく、まったく違う切り口と方法が求められている。
この2、3年、こうした状況のなかで仕事を通して考え、勉強し、実践してきた。
そして最近、以前からお付き合いのあるお客様ばかりではなく、ご紹介によるお客様からもお声をかけていただくことが多くなった。

先日、お客様から、ファンサイトのメンバーと仕事をするのは楽しいね、と、お褒めいただいた。
ありがたいことである。

お褒めいただけた理由は何かと考えた。
十全に満足していただくにはまだまだ勉強しなければならないが、お客様と同様に僕たち自身が変わりたいと願い、それを諦めず闘い続けている集団だからだと確信している。

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