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第271号『したたかさ』

【ガジェット】
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2、3年ほど前、ロングビーチに住む友人宅に少し長く滞在したことがあった。
はじめは気にもしなかったことがしばらくすると、いろいろと見えてくる。

スーパーで買い物をしてレジに並んでいると、商品をレジ係に渡し、現金を受け取っている人を時々見かけた。
何をしているのか、と友人に聞いた。
返品しているのだという。
しかも、その返品は今日や昨日買ったものばかりではなく、数日、いや数ヶ月前に買ったものでも、あたりまえのように返すという。
それは例えば、TV、履いた靴、果ては食べかけのジャムまで。
嘘のような本当の話である。

また、ある日、ロングビーチからハリウッドまで電車(地下鉄)に乗った。
ここでの光景にもおどろいた。
チキンの食べカスを、平然と座席の下に放置するおばさんや、携帯電話でガンガン話しているお兄さんと、これまた回りを気にする様子もない。
そういえば、バスケットの試合会場である、ステープルセンターの観客席も、野球場も足下は総じてゴミだらけである。
モラルのかけらもない。

その一方で、道を尋ねれば本当に親切に教えてくれ、買い物をしていても、この商品なら、別のスーパーのほうが安いと教えてくれる人もいる。
皆、当然のように、エレベーターで目が合えば軽く微笑みを返してくれる。
地方ならいざしらず、東京でこれほど見知らぬ人が声を掛け合い、会釈する姿は見かけない。

乱暴かとおもえば優しく、大胆かと思えば繊細でもある。
絶望と希望、混沌と合理が入り乱れた不思議な国である。
その国がいま、自分たちのリーダーを選ぼうとしている。

バラック・オバマなんて、ほんの1年前まで聞いたこともなかった。
いまや、この黒人の男が、アメリカ大統領になるかもしれない。

考えてみると、アメリカは人種差別やベトナム戦争の泥沼化など、問題を抱え、それを克服するたびに、変化を遂げてきた国である。
イラク戦争やサブプライムローンの失策により、ブッシュ政権はもはや死に体となり、アメリカの威信そのものも失墜している。
しかし、オバマ氏が当選すればアメリカの道徳的な権威や指導力の復活につながると観る人もいる。

女性初でも、黒人初であっても、いずれにしてもアメリカの公平性や新たなイメージを世界に提示する構図がある。
そこには、ただでは起きないという、したたかで骨太なアメリカの底力を感じぜずにはいられない。

1件のフィードバック

  1. ごぶさたしています。
    戦前に外務大臣をやって、戦後すぐに首相になった誌で幣原喜重郎さんの自伝に、「アメリカ人は間違いをおかすことがあるが、必ず自分たちで、その誤りを正すことができる」とアメリカ人の外交官が言ったということが書いてありました。
    すごいもんですね。

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