第227号『コスト意識』

【建築中のビル】
【建築中のビル】

仮に、もし、いまあなたが明日プレゼンを予定しているとしよう。
そして、その企画書が、ようやく完成したところだ。

さて、その企画書を、いままさに同じ部署のアシスタントにコピーを依頼するところなら、ぜひ、やって欲しいことがある。

やって欲しいこととは、こうだ。
自分で作った企画書をキンコーズか、セブンイレブンにでも持ち込み自らコピーをし、綴じてみるといい。

コピーすることも自分が綴じるという行動も、すべてにコストがかかっているということに気づくはずだ。
コストが0円だと思っていたものが、実はただではなかったのだと知り驚くかもしれない。

私事で恐縮だが、転職して、あからさまに変わったことがある。
それは、年賀状とお中元、お歳暮の数が激減したことと、コピーを自分でとり、自分で綴じなければならなくなったことである。

以前、わりと大きな組織に所属した。
だから、アシスタントが雑務というヤツをやってくれていた。
企画書を作り、それをアシスタントに渡し、「明日までに○○部コピーをお願いね」と言い残すだけで、翌日には出来ていた。

実に不幸な体験である。
なにしろ、商品(企画書)に対するコスト意識もないまま、自分が企画書を作ったという薄っぺらな根拠のない自己満足に浸るはめになっていたのだから。

だから、いま、プレゼンの時は、なるべく自分の企画書は自分でコピーする。
プレゼンする相手の顔を思い浮かべながら、必要な部数をコピーする。
こうすれば、必要以上に無駄な部数をコピーせずに済ませることもできる。

これは決して、ケチで言っているのではない。
ただではなかった、という驚きが、きっとあなたのコスト意識を目覚ませてくれるはずである。

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