日本橋界隈を歩いて気がついた。
幾つかのビルの一角に丸太を組んだ小屋が建っている。
そこには神輿が鎮座するのだろう。
夏の祭り日が近づいてきている。
しかし、街のどこからもこれから祭りが始まるという高揚感も、晴れがましさも感じられない。
すべてが晴れがましくあることを強要されている時代、ハレとケの陰影など、探しても見つけることなど、望むべくもないのかもしれない。
名著、網野義彦氏の「日本の歴史をよみなおす」によれば、室町期、十四、十五世紀に形成された日本的な村落の作法や環境など、人間と自然に対する有り様がいまや瓦解したと言及している。
そうして、わたしたちの社会基盤である共同体の有り方も揺らいでいる。
その証左に、村上ファンドや堀江氏の事件も、そして毎週のように起きる子殺しも、まるで日常的な風景のなかに溶け込んでしまったかのようである。
会社、家族、地域、趣味、お金・・・豊かさや、幸せや、知的生産性などの記号を手に入れるための所作だったとしても、いまやその幻想すらもちえない。
こうした、大上段に構えた事柄を解決することなど、到底出来ないにしても、議論することによって、意志ある個人(ファンともいえる)の参加が生成していく新たな共同体(コミュニティ)とは何かに目を向けてみたい。
時を遠望するのは容易ではない。
しかし、その予兆は細部にこそ宿る。
この一々の議論が風景を立ち上げ、そして予断に抗する唯一の方法だと信じている。
以下、今月から再開する「一揆塾」についての私案である。
06年度 一揆塾のテーマ「共同体の行方」
第1回目はオライリー・メディア社の創立者でウェブ2.0の提唱者でもある、ティム・オライリー氏の日本支社オライリー・ジャパン編集長 伊藤篤氏とのセッションで基調講義を予定。
テーマ:仮題「共同体あるいは2.0的なものをめぐって」
第2回目はプロストリートボールリーグ「LEGEND」を運営する元、バンカーで(株)フロム・ザストリート代表取締役社長金井真澄氏。
テーマ:仮題「LEGEND、ストリートからの発言」
以後、順次あたらなコミュニティの形成にチャレンジしている方々とのセッションを予定。
06年度 「一揆塾」開講のお知らせ
テーマ:仮題「共同体あるいは2.0的なものをめぐって」
講師:伊藤篤氏(株式会社オライリー・ジャパン編集長)
日時:6月28日(水)19時より
場所:弊社会議室
受講料:無料
懇親会費:¥3000円
参加ご希望/お問い合わせ:メールにてファンサイト川村まで