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第164号『ホワイトハンド』

今年の春、知人がメキシコとの国境の街に居酒屋を作った。
夜、僕たちは滞在していたロングビーチから車をすっ飛ばし、その居酒屋のある街、サンディエゴに向かっていた。
前方にある乾いた大地と黒々とした闇をライトが次々に照らし、一瞬垣間見えた草木や標識は瞬く間に闇の中へと押し流され、吸い込まれていく。

街に近づいた時、忘れることのできない標識を見た。
はじめ、なんの標識なのか判然としなかった。
そして、再びその標識が現れた。

人のシルエットが描かれている。
お父さんがお母さんの手を引き、お母さんが子供の手を引いている絵だ。
運転していた友人に尋ねた。
「人注意!の標識だ」との答えが返ってきた。
唖然とした。

例えば、山がちな国道でみかける鹿や猿や狸などの注意標識のそれと同じ類いである。

このエリアでは、いまも多くの人たちが国境を越え、ハイウェイを渡り豊かで希望に満ちた国、アメリカへと不法に入国してくるのだ。
そして、その希望の地に足を踏み入れたとたん、高速を走る車にはねられる人も少なくないという。
悲惨な話しである。
しかし、彼らは貧しさから逃れるために越境しようと、もがけるだけ、まだしも恵まれている。

旅をしていて、アジアでヨーロッパで、アフリカの街の路上で、垢と汚れに塗れ黒くうごめく子供たちの姿を見かけることは、ままある。
ストリートチュルドレンとよばれるこうした子供たちは、貧困と恐怖を抱え、どこにも逃れることはできない。

70年代はじめ「成長の限界」を警告したドネラ・メドウズ氏の著書、「もしも地球が100人の村だったら」は極めて示唆に富んでいる。
現在の統計比率で地球の人口を100人の村に縮小するとどうなるか。
61人のアジア人、14人の南北アメリカ人、13人のアフリカ人、12人のヨーロッパ人。
70人が有色人種で30人が白人。
33人がキリスト教徒で、67人がキリスト教徒以外。
6人がすべての富の59パーセントを所有している。
わずか7人が高等教育を受け、わずか8人がコンピュータを所有している。
80人が貧困の中で暮らし、14人は文字が読めず、そして33人は餓えで死んでいく。

世界的な貧富の差が拡大している。
返済不可能なほどの借金を背負わさたり、生産しても公平な取引がなされなかったりしている。
あきらかに、貧困は人災である。
そして、貧困を世界の優先課題とすることをテーマに、「ほっとけない世界のまずしさキャンペーン」が始まっている。

『いま、世界では3秒にひとり、子どもが貧困から死んでいます。1日1ドル以下の生活をしている人は12億人、きれいな水を飲めない人は10億人以上、読み書きのできない大人は8億6000万人、これまでエイズで死んだ人は2000万人。』

「ほっとけない世界のまずしさキャンペーン」公式webサイトの冒頭に掲げられているメッセージである。

www.hottokenai.jp

***のマークがついたホワイトバンドを手首につけ、僕もこのキャンペーンに参加することにした。

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