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第16号『リベンジ』

20代の後半、東横線学芸大学前にある笹崎ジムに入門した。

特別ボクシングが好きだったと言うわけではなかった。しいていえば、なにもかもつまらなく思えた自分の日常生活に小さな事件を起したかった。(ような気がする。)

故人となった会長はファイティング原田を育て、自らもピストン堀口と死闘を演じ、槍の笹崎と呼ばれた男である。テレビ放映もほとんどなくなり、かと言ってなにか特別な話題があるわけでもなく、ボクシング界にとっては低迷期であった。それでも数十人の門下生がいて当時日本ランキング3位(階級は忘れたが)の選手もジムに住み込み、それなりに活気はあった。

彼の試合が近づくとジムの水道の蛇口という蛇口はすべて針金で封印された。ある日、練習前の控え室でバンテージを巻きながら彼と話した。毎朝10キロのロードワークでの道のどこにどんな水道の蛇口があるのか全部知っているとニコリとしながら話してくれた。どこに水道の蛇口があるなど普段歩いていて気が付くことも考えたこともない。意表をつかれ、なんだか妙に感心した記憶がある。

柔道、レスリング、そしてボクシングなど減量の伴うスポーツは水をできる限り飲まない。(最近、科学的にどういうトレーニングをしているかは知らない)すぐ体重に反映するからである。飲むなら、牛乳や野菜ジュースを飲んで少しでも血肉にしようとする。

少し体重を増やせばたしかにパワーは増す。しかしスピードは落ちる。だから体重を落しスピードと筋力、パワーを落とすことなく戦うために極限のバランスを維持しようと選手はもがくのである。

一度リングから降りかけ、再び挑戦しようと立ちあがった会社がある。

2000年12月に民事再生法の適用を申請した靴のマルトミは今年4月21日株式会社ワンゾーンに社名と体制を一新した。かつて1200を数えた店舗を約370店舗まで絞りこみ靴販売の新業態でスタートを切った。企業もまたスピードとパワーとウエイトのバランスをとりながら戦っているのである。今回ご縁がありファンサイトの考え方を導入しながら株式会社ワンゾーンのwebサイト構築のお手伝いをすることになった。

かつて世界ジュニア・ミドル級で柳済斗に敗れた輪島功一が、再度挑戦しチャンピオンとなった。蛙飛びスタイルで15回の最終ラウンドまで激しく打ち合った壮絶な試合はいまでも鮮明な記憶として脳裏に焼き付いている。おそらく想像もつかないほどの苦しい減量と、練習量の末に勝ち得た栄冠であっただろう。

株式会社ワンゾーンがリングに立ち勝利を勝ち取るためにこれからどれほどの汗と時間が必要なのか分からない。「リベンジ」に向けての戦いは始まったばかりである。

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