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第118号『夏休み』

夏は予感に満ち、野心に溢れている。
だから夏が好きだ。
普段なかなか出来ないことをあれこれ考える。

今年も10個ほどやりたいことを紙に書き出した。

・キャンプにでかける。
・火を炊く。
・海で泳ぐ。
・沢を歩く。
・桐野夏生の「グロテスク」をいっきに読む。
・松本大洋の「花男」を読む。
・蕎麦屋で昼からビールを飲む。
・映画を10本観る。
・トライアスロンを完走する。
・絵を描く。

幾つかのことは難なく出来、幾つかのことは達成することが出来なかった。

それでいいと思えるようになった。

つい数年前の自分なら、遣り残したことが気になり、いつまでもこだわり続けていた。
しかし、最近そうしたこだわりがない。
むしろ、達成できた事柄を喜べる。
そして、素晴らしい夕焼けや、森の匂いや、上質な映画や小説に出会えたことに感謝したい。

なぜなら、自分が行動してきた過去に満足せず、いい思い出に出来ないとすれば、その先にあるどんな未来もいいものに出来るはずがないからだ。

今年も予感に満ち、野心に溢れた夏がもうすぐ終わる。
さて、来年はどんな夏と出会えるか、いまから楽しみだ。

おまけ・・・
この夏観た映画ベスト3

1.「半落ち」
2004年 佐々部清監督作品

「日はまた昇る」で監督デビューをし、2作目「チルソクの夏」(ファンサイト通信103号『また観に行こうと決めた』で紹介)でもきめ細かく、押さえの利いた演出で久々に日本映画を正統に継承する監督の登場を予感させた佐々部清監督の3作目である。
30万部を越えるベストセラーミステリー横山秀夫著『半落ち』の映画化。
アルツハイマーの病が進む妻に懇願され、嘱託殺人を犯した元警部。
主人公・梶聡一郎は愛する妻を手にかけた。
そして、彼が自首するまでの「空白の2日間の謎」を追う人々。
主人公・梶聡一郎を演じるのは「雨あがる」「阿弥陀堂だより」の寺尾聰。
事件の真相を追う志木刑事に、柴田恭兵。
梶の妻・啓子に「OUT」の原田美枝子、その姉康子に樹木希林、判事に「Dr.コトー診療所」の吉岡秀隆と実力派キャストが揃う。
撮影を、「たそがれ清兵衛」「学校」で各種映画賞に輝いた長沼六男。
映画作りの根幹をしっかりと押さえた上質な作品。
役者がいい、シナリオがしっかりしている、撮影、美術、演出どれをとっても安心して楽しめる。
久々に味わうことができたこれぞ日本映画である。

2.「セクレタリー」
2002年 スティーブン・シャインバーグ監督作品

2002年サンダンス国際映画祭特別審査員賞受賞作。
本作が長編2作目の、新鋭スティーブン・シャインバーグ監督の作品である。
自虐行為を止められない冴えない秘書と潔癖症の弁護士との、ある愛の物語である。
この冴えない秘書があるきっかけで自分の欲望を自ら認めることで、自信に満ちたポジティブな女に変身していく。
この役どころを見事に演じているのがヒロイン、リーに扮し、いまや個性派女優の仲間入りをはたしたマギー・ギレンホールである。
ともすれば、野卑なものになりやすいテーマを一級のラブロマンスに仕上げている。
また、全体のトーンがデイヴィッド・リンチの傑作、「ブルー・ベルベット」を思わせ、リンチ好きの私にはたまらない作品である。

3.「ジョゼと虎と魚たち」
2003年 犬童一心監督作品

青春映画である。
これまで「大阪物語」(市川準監督)・「黄泉がえり」(塩田明彦監督)など脚本を中心に活動していた犬童一心監督の作品である。
現在、もっとも青春という世界観をのびのびと表現している役者、妻夫木聡が主役の恒夫を演じ、恋人役、ジョゼには演技派の若手女優、池脇千鶴が出演している。
また、原作は田辺聖子の同題の小説「ジョゼと虎と魚たち」である。
意外なことに、これは田辺の初の映画化作品である。
さらに、サウンドトラック担当のくるりや脚本を担当した渡辺あやも今回が映画デビューである。
みずみずしいスタッフとキャストによる古くて新しい青春物語、それが、映画「ジョゼと虎と魚たち」の魅力である。

そして、いつの時代もどんな状況でも、人はご立派な人を好きになるわけではなく、その人と一緒に過ごすと自分が自然でいられるという、たわいのない理由で人を好きになることを再確認することができた映画でもある。

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