センサー機器がネットワークに接続されることで、ウェブに流れ込む情報量は爆発的に増加していきます。白書の最後では「リアルタイム」をキーワードに、新しい可能性がさらに開かれると語っています。
リアルタイムのけん引役として、流行のTwitterをはじめとする「マイクロブログ」の存在が挙げられます。これまでのウェブページやブログとマイクロブログとの違いは、更新情報が瞬間的に伝わるという点です。このところ話題のキーワード「リアルタイム・ウェブ(real-time web)」と呼ばれる所以です。
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さらに言えば、ユーザーは検索システムと共に進化を続けているのである。Twitterのハッシュ(#)タグを見てみよう。それは、共有された出来事についてのリアルタイムな検索を促す人間的な集まりである。今一度言おう、人間の参加によってどれほどの構造のレイヤー(層)– それ自体は未完成で一貫性のないものだが — が、一連の生データに加えられるのかを見ることができるだろう。
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Twitterのツイート(つぶやき)に反応してコメントなどを付けて再度ツイートする「Re-Tweet(リツイート)」は、情報を連鎖的に増幅してフィードバックの輪を生み出す機能です。リアルタイムな反応が、連鎖的に増えながら共鳴していく様子は、人間の心が集合して何かを示唆しているようにも見えてきます。
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リアルタイム検索はリアルタイムなレスポンスを促す。リツイート(Twitterのツイート(つぶやき)に反応してコメントを付けて再度ツイート(つぶやき)しなおすこと)された「情報の連鎖(information cascades)」は、最新のニュースとしてTwitter上を駆け巡り、まさに今起こっていることについて知りたいと思っているたくさんの人々にとって最新の情報ソースとなる。そしてふたたび、それがまさに始まりとなるのである。Twitterや、Facebookの「近況アップデート」のようなサービスによって、新しいデータソースがウェブに追加されていく– それは私たちのコレクティブ(collective、集合的)な心をリアルタイムに暗示しているのである。
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白書の前半では集合知(collective intelligence)が登場しましたが、ここでは「intelligence(知)」ではなく「collective mind(集合的な心)」と書かれています(ちょっと飛躍してしまったのでしょうか?)。この後、グアテマラやイランの政治状況にTwitterが影響を与えたことに触れて、ネットワークを通じたコミュニケーションが人間をまとめるのだと述べています。
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それは私たちをタイムリーな議論へと導く。テクノロジーの非人間的な影響を懸念する多くの人がいる。私たちはその懸念を共有しながらも、その逆のトレンド、つまりコミュニケーションが私たちを一つにし、文脈を共有させ、そして究極的にはアイデンティティを共有させることを見るのである。
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リアルタイムがビジネスにもたらすインパクトについては、ユーザーの購買行動がセンサーに補足されてウェブに流れ込むと考えると、続々とリアルタイムに反映されるそうした情報が持つ意味は、企業にとって大きなものとなりそうです。
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リアルタイムということはソーシャルメディアやモバイルに限定されはしない。Googleのリンクは1つの票であるという認識を超えて、WalMartは顧客の購買行為を1つの票であるとし、会計のレジをその票を集計するセンサーであると考えた。リアルタイムなフィードバックの輪は在庫を動かす。WalMartはWeb 2.0企業ではないかもしれないが、彼らは間違いなくWeb Squaredな企業である。
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また、そのようなセンサーからのデータを除いて考えたとしても、たとえば“リアルタイム・ウェブ”なサービスによってもたらされるリアルタイムな情報群が、企業活動に無視できない影響を与えるかもしれないと想像できます。つまり、そこには企業の顧客であるユーザーのリアルな意図がウェブにリアルタイムに反映されているからです。
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センサードリブン(センサーによって駆動する)な購買行為がなくても、リアルタイムな情報はビジネスに非常に大きなインパクトを与える。顧客がその意図をウェブで(そしてTwitterで)広く宣言– 彼らの行動または言葉のいずれかによって –すると、企業はその会話に耳を傾けさらに参加しなければならなくなるだろう。Comcast(ケーブルTVの会社)はTwitterを使ってその顧客サービスへの取り組み方を変えている。他の企業もそれに続いている。
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さて、Web 2.0以後の5年間という題名(“Web Squared: Web 2.0 Five Years On”)で書かれた白書の概要を、4回に分けて見てきました。白書の最終節では「ウェブは今や世界そのものなのだ。(Web is now the world)」と述べて、その「世界」は私たち人間の手助けを必要としていると言います。それは、センサーを介してという仕方だけでなく、ウェブとその進化に私たちが積極的に関わっていくという仕方で、ウェブと世界を推し進めていくのだと主張しているようです。
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もし世界のもっとも緊急な課題を解決しようとするなら、私たちはウェブの力を使えるものにしなければならない — そのテクノロジー、ビジネスモデルそしておそらくもっとも重要なのは、オープンであるというその思想と集合知そして透明性である。そのために、私たちはウェブをもうひとつ別のレベルへ移さなければならない。私たちは進化が徐々に進むのを待てないのだ。
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そして白書は次の宣言で締めくくられます。
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ウェブがリアルな世界に受け入れられる時がきたのだ。ウェブは世界と出会う –それがWeb Squaredなのだ。
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白書の原典は下記から参照できます。PDF版のダウンロードもあります。
Web Squared: Web 2.0 Five Years On
Download the Web Squared White Paper(PDF, 1.3MB)