Googleのコミック

Chrome

GoogleのブラウザChrome(クローム)の背景には大きな構想があるのかも、というのは前回のお話でした。ほんとうにそんな構想があるのかどうか、それはわかりません。もちろんググっても答えは出てきません。状況は絶えず変化を続けているので、ほんとうの答えはいつか時が提示してくれるのかもしれません。

今回は、遠大な構想は脇に置いて、GoogleがChromeで行った車輪の再発明について紹介します。

下記のリンクは、有名なGoogleのコミックです。なぜブラウザを一から作ることにしたのか、その背景と、何を開発したのかについて、マンガで解説しています。

● Google ChromeのテクノロジーについてEpisode Iを読む

コミックEpisode Iでは、私たちが日々使っているのはウェブページではなくアプリケーションなんだ、という前提に立って、安定して、高速で、安全なブラウザをオープンソースで開発することにしたと説明しています。それに続くPart One(3ページ)以降は、Chromeで行った技術的な工夫や手当について解説していて、少し難しいかもしれません。しかし、日頃ブラウザを使っていて不便や不満を感じていることを想定しながら読んでいくと、わかりやすく読めると思います。

アプリケーションやシステム開発でここ数年の間に常識として定着している概念やアプローチを出発点として、安定性、高速性、安全性という課題にチャレンジしています。芸術を語る場合に「創造と破壊」という言葉で、破壊が新たな展開への契機であるとよく言われますが、Chromeで行われた再発明には当てはまらないようです。これまでにウェブやブラウザで蓄積されてきた知識や経験の継承がなければChromeの創造はなかったからです。

追記:Episode Iが楽しめたらコミックEpisode IIもおすすめします。こちらはさらに専門的で、表示の高速化へのチャンレンジについて解説しています。アプリケーションを他言語対応させることを「国際化する」と言いますが、ここではChromeの国際化がテーマです。