いよいよ本日7/10、ドコモから日本初の“Androidケータイ”(HT-03A)が発売されます(プロモーションサイトはこちら)。これまでの携帯とどう違うのか、いまひとつピンとこない方は少なくないかもしれません。
今回のドコモが発売したAndroid携帯は、Googleのサービスに焦点をあててそれらが使いやすいように作られた“Googleケータイ”です。Googleをはじめとするネット上のサービスやデータをシームレスに活用できるように作られています。GmailやGoogleカレンダーなど、すでにGoogleのサービスを利用している人にとっては、かなり便利で使いやすいものになっています。たとえば、Googleのアカウントを設定するだけで、メールやカレンダーと同期してくれるので、パソコンから利用していたアドレス帳がAndroid携帯でもそのまま利用できます。手間いらずで便利です。
また、Androidマーケットというサービスを通じて、アプリケーションを追加できるところがうれしいのですが、同マーケットにはすでにかなりの数のアプリケーションが登録されていて、たいていの機能を手に入れることができます。
考えてみれば、これまでの携帯は、機能的には購入した時点が頂点で、だんだんと古くなっていくものですが、Android携帯ではアプリケーションを加えることで機能を拡張することができるのです。古くならないケータイと言ったら語弊があるでしょうか。
さて、そのアプリケーションですが、Androidプロジェクトのページで「Apps are created equal(すべてのアプリケーションが平等)」と謳われているように、携帯端末上ではどのアプリケーションも、すべて置き換えや拡張が可能であることが特徴のひとつです。同ページの動画で紹介されているように、ホーム(携帯的に言うと「待ちうけ画面(携帯を開いた最初の画面)」)までもがひとつのアプリケーションとして提供されているので、自由にカスタマイズすることができます。
既製の機能が気に入らなければ、そっくり別のアプリケーションに入れ替えた“俺ケータイ”化することも不可能ではありません。そう言えば、中国市場ではレノボが「oPhone」という名前でAndroidケータイを投入する予定で、その見かけやインターフェースが人気のiPhoneそっくりに作りこまれているのが話題になっているのだとか。冗談のような話ですが、これも、プラットフォームがオープンなのでどこまでも自由に使い込めることの一例ですね。
最後にちょっと分かりにくい話。Android携帯が分かりにくいのは、「Android」という名前の携帯電話機があるのではなくて、Androidというのは携帯電話機などのハードウェア上で動くプラットフォームの名前だということです。プラットフォームというのは、この場合はOS(オペレーティング・システム)のことです。カタカナ語頻出で恐縮ですが、まとめてみると、この度ドコモから発売されたのは「Android OSを搭載した携帯電話機」ということになります。
携帯電話やそのプラットフォームの開発は、機密保持契約(NDA)で守られた機密の森で行われるのですが、Android(というプラットフォーム/OS)がおもしろいのは、それがオープンで無償である点です。また一般には「GoogleのAndroid」と思われていますが、Androidの開発は、Googleを含む30社以上の企業が参加するOpen Handset Alliance(OHA)で行われています。Android用のアプリケーションを書くための開発環境もオープンで無償で公開されているので、興味があれば誰でも開発に参加できます。ここは、NDAでがっちりと守られてMacでなければ開発できないiPhoneアプリとは違っています。
日本初のAndroid携帯。今後の動向にも注目していきたいです。
追伸:ソニーが開発中のAndroid携帯の情報がリークされていますね。写真を見ると、ソニーらしい雰囲気で作りこまれているようです。これもベースは同じAndroidです。
追伸その2:Android携帯からGmailを使うとこんな感じになります。Googleが動画で紹介しています。