センサー・ネットワーク

人感センサー

日常生活のあちこちに「センサー」的なものがあることにあらためて目を向けてみましょう。たとえば、自動ドアは古くからあるセンサーですし、駅の改札やオフィスビルへの入り口ゲート、車なら料金所やカーナビなどもそうですし、いつも持ち歩いている携帯電話なども一種のセンサーだと言えるでしょう。いずれもその存在を特に意識することがないほど、あまりにも身近なものばかりです。

Webの将来を予測した「Web Squared(ウェブの2乗)」という文書では、センサーが生成する膨大なデータがWebに流れ込みWebはそれを集合知的に活用する場になっていくということが書かれていました。

さて、今回注目したいのはNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)という規格です。昨年12月に発表されたAndroid OS(Gingerbreadという愛称のバージョン2.3)でNFCへのサポートが始まってことで話題になりました(この記事あの記事)。NFCが何かというと、小電力で近距離無線データ通信を行う装置(デバイス)の規格で、「近距離」というのは10センチ程度の距離で情報をやりとりするという意味です。

情報の送受信を行うデバイスのための規格がNFCというわけですが、実際にはこのNFCデバイスに、RFID(Radio Frequency IDentification)という電波によって個体を識別する電子的なタグを持たせて使われるようです。つまり、NFCを組み込んだデバイスは個人識別用のIDカードや財布など役割を果たすことができます。かざすだけで認証や支払いができるものといえば、スイカやパスモが思い浮かびますが、NFCがおもしろそうなのはAndroidですでにオープンな開発環境が提供されていることです。

こちらの記事([Clip]NFCが重要な理由)では、PayPalのような決済サービスと結びついて、NFCデバイスがクレジットカードを駆逐するのではないか、と書いています、アメリカ国内のことを書いた話しですが。日本ではスイカやパスモというFelicaカードが普及していますが、NFC規格はFelicaから情報を読み出すこともできるようです。NFCをサポートするデバイスはこれからどんどん登場すると思います。また、デバイスだけでなく、NFCデバイスを活用したサービスやアプリにも期待したいです。