第74回 胃のイタイ話

070914

田中とテーマがダブってしまいましたが、違った切り口だと思って読んでみてください。

突然の宰相辞任劇に日本中がてんやわんや。
カメラは非情にも記者会見を行う彼のよどみ切った目を中心にその表情を鮮明に
映し出していました。

そこで気になったのはメディア操作の匂い。記者会見で彼は「テロとの争いに私では不十分だ」
といったことは全員が聞いていたはず。なのにいつの間にか世論のフォーカスを「健康問題」
に摩り替えようと必死になっている匂いを感じずにいられなかったのは私だけでしょうか。

テロとの争い、は当然解決しなければならないことだと思います。
しかし今の日本で宰相が一切を投げ出していなくなってしまう、政治が空白になる。
その理由に「テロとの争い」が真っ先にくること自体が私には理解ができないのです。

辞任の原因は「ストレスから来る機能性胃腸症」 だそうです。
分からないでもないけど、この格差社会で必死にストレスと戦い、胃を壊しながら必死に
生きてる人なんて腐るほどいるんじゃないのかな。

分かりづらくなってしまって申し訳ないのですが、多くの人がこの社会でストレスと戦っていると
私は思っています。
全員が彼の責任だといってるわけじゃないし、こんなときでも今後の改革を期待する声も
当然あったと思うのです。

「テロとの戦い」も大事かもしれないけど、誤解を恐れずにいうなら「私は胃を壊しちゃいました。
でも多くの人が胃を壊しているこの社会を我々は一緒に苦しみながら、でも立て直します!」
というメッセージのほうが私ならもう一度この国を任せてみよう、と思うなあ(笑)。

一国を引っ張るべき宰相の最後の幕引きの理由が「テロとの争い」だったこと、そしてそれを
「胃のイタイ話」へと意識を逸らそうという流れに対してこそ、国民である我々が真剣に考えるべき
ところなのではないかと思うのです。

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