今日は仲間の紹介である若いアメリカ人がアトリエに来ました。
彼はかの有名なジョンレノンの息子で俳優の「ショーンレノン」のプロモビデオなどを撮ったりしているカメラマン。
日本でもかなりのビッグネームの作品を撮っていたのには驚きました。
彼はハリウッドと日本に拠点を持ちながら作品を撮っているのですが、その彼がアトリエに来た理由は「日本での正式なビザを取れないか」とのこと。
調べると外国人で映画監督やカメラマンに対して発給されるビザは「興行」といって芸能人などと同じ扱いのビザだそうです。
昔からそうですが、この国は意識としてどこが変わり、どこへ向かっているのかが日を追うごとに分からなくなっている国のような気がします。
後輩の田中が読んだ「下流志向」という本の話を聞きました。
それは現在の若者たちが積極的に「下流志向」を目指す傾向にあるとか。
そういえば以前人材派遣会社の人に聞きましたが、ちょっと注意するとすぐに仕事を放棄してしまう為、なんと朝早く派遣スタッフの家までいって起こしてあげるのだそうです。
「下流志向」「ニート」「自殺」「親殺し・子殺し」「変わらぬ学歴主義」「官僚志向」
・・・・それでも生きていけるこの国はある意味幸せだと思います。
しかし、少なくともこの国で生きていくことを考えた場合、今この国が正しい方向に向かっているとはどうしても思えない自分がいます。
格差社会に疲れきった若者たちはある意味被害者かもしれません。
しかし「積極的に」下流志向を目指す若者たちの気持ちが理解できない私が間違っているのだろうか。
私の周りの若い連中は、決して優等生ではないけれど(笑)自分たちのアイデンティティを自分たちのスタイルで確立する為に、頑張っている奴らが多い気がします。
礼儀だって正しいし、何より気持ちがアツイ。
ご存知の方もいると思いますが(笑)私は既成概念とか権力とかに全くといっていいほど迎合をしないたちなので、彼らのようにある意味クセのある、でも気合の入った若い奴らがとても好きです。
そんな彼らと共に自分も「この国ニッポン」の人間として何かを発信し、伝え、創りあげる喜びを共有し生きていきたいなあ。
ビザのことで何度も挫折し、気概をもつがゆえにこの国の仕組みに半ば絶望しかかっている彼の悲しそうな瞳を見ながら、そんなことを思った一日なのでした。