昨年は私と妻にとって、食と農への探究心にスイッチが入った年でした。
横浜はじめ各地の料理人や生産者さんとの出会いと、相模湖で自然農やヨガ教室「おだやか家」を営むS夫妻との出会いが大きかった。
Sご夫妻は元々は東京で 夫婦でバリバリのキャリアだったのですが、8年前にナチュラルライフに目覚め、3年ほど前に相模湖のすぐそばに引っ越されました。
旦那さんが主に畑で作物を育て、希望者を募って農業体験をする担当。奥様はヨガと、新鮮な野菜や津久井の在来種の大豆などを使ったお料理教室や、お味噌作りなどを教えられています。
昨年お友達にご紹介され、 2月の味噌作りから、7月には畑での大豆の移植、12月には餅つきを一緒にしたりと、昨年はいきなり2時間かけて相模湖に行く機会が増えました。

タネから始まり育て方も徹底的にこだわった野菜と大豆。
仲間たちと丹精込めて漬けたお味噌が先日出来上がって、それ以来家の食事はこの味噌で作るのですが、自分らが作ったのを抜きにしても本当においしい。調味料や添加物が一切入っていないので、ガツンというインパクトはないのですが、一口飲むとやさしい舌触りと香りが体中に染み渡ります。

それだけではありません。横浜の生産者の友人Hさんから分けてもらった別の大豆で、先日できたのは納豆。
市販されている発酵機をつかって24時間で完成しましたが、これも「売ってる納豆ってなに?」というくらいに食べ応えも風味もバッチリ。まさに「大豆を食べている!」という充実感があります。

さらに妻が研究しているのは、薬を使わずに自然にあるものをつかった昔ながらの「お手当て」。
この「お手当て」も、友人であるYさんが出版された「カラダにやさしい自然の手当て法」 を参考にしています。
彼女が食事を野菜中心に変えて2回ほど熱を出しました。デトックスの1種ですが、その際にも頭にはキャベツの葉を乗せたり、コンニャクを煮てタオルにくるんで背中を暖めたりと、なるべく人工のものに頼らないライフスタイルに急激にシフトしてきています。そこで感じることは、自然で古来の手法で作られた野菜は「生命力が強い」ということ。
すなわち味もよく栄養素が高く、かつ酵素の働きが活発だということです。
酵素、すなわち微生物の存在が体の中を奇麗にし、細胞を活性化していることによるものだと思うのですが、半年ほどの生活の中で本当になんとなくですが、それを実感しています。

今年も2月に来年使う味噌を漬けにいきます。この味噌に使う材料の大豆は、私らが昨年育て、畑に移植した大豆ですから、本当に楽しみです。さらに野菜も今年は種類を増やしてチャレンジする予定です。
これを生業としてやる、というのではなく、この先何が起こるか、何が食べ物に入っているか予想できない時代に、最も強いのは「安全な食べ物をせめて自分たちの食べる分だけは自分たちで作れるようにしたい」という危機管理的な側面と、何より気心知れた同じ指向性のお友達と集まってワイワイ農作業したり、味噌を漬けたりする時間の、何にも代え難い楽しく優しくおだやかな時間が大好きなのです。

新鮮な素材を前に、妻はさらにさらに料理熱にまでスイッチが入りました。
下の写真はオールベジで彼女が作った「ベジタコス」です。
ともすると味気ない精進料理をイメージしがちですが、最近はなかなかレベルが高い、肉がなくても満足できるクオリティのものができていますので、皆さんよかったらぜひ我が家にも遊びに来てください。
こんなふうに今年は我が家の「食農化計画」が一層加速します。よかったらご一緒しませんか?
